【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第9章 空7 家族
欠伸をしながら言う銀時を確認してから、松陽はリュウとフェイに話しかける。
「それじゃあ二人は銀時と一緒にお留守番していてね」
松陽の一言に銀時はあからさまに嫌そうな表情へ変わった。何も言わないでいるが。
積極的に誰かと絡む事を銀時は好まなく、松下村塾(ここ)に住んでいるのも松陽が誘い行き場がなかったからだけである。
何事に対してもやる気を出さない銀時の事を、リュウとフェイの二匹は目を光らせて見張る事が多々あった。人ではないが二匹の知能指数はかなり高く、銀時が逃げ出そうとしても大体見つかっている。
銀時を信用していないのではなく、飛鳥が不安にならない様にいなくならないか、見張っている様だ。
「おつかい、おつかい!」
二匹の心配を他所に、飛鳥は楽しそうに小銭入れを撫り袋に入れると笑顔で松陽の元へと駆け寄ってきて言った。
「せんせーみて!晋にぃがおつかい用にくれたの!」
「これは良い撫り袋だね」
松陽が飛鳥の頭を撫でながら言うと、晋助は恥ずかしそうな表情をしながら小声気味で答える。
「撫り袋は女が使う物だから俺が持っていても使わないから」
ぷぃっとそっぽ向く晋助に向かって、小太郎はさらっと言うのだった。
「訳の分からない言い訳をしてどうする。飛鳥の為にわざわざ用意した癖に」
「ヅラ、お前余分な事言うなよな!」
「事実だろうが!事実!」
つかみ合いの喧嘩を今にも始めそうになってしまったので、松陽は慌てて間に入り止める。飛鳥にはつかみ合いに発展した理由など分かる訳がないので、不思議そうに首を傾げつつも小走りで晋助の元に来て言った。
「晋にぃ、だいじにするー」
にぱにぱと屈託のない笑顔で言われてしまえば、言い争いも喧嘩も出来ない。頭を掻いてから、飛鳥の頭を優しく撫でてやると更に嬉しそうに飛鳥は笑う。
本当に、目に入れても痛くない、可愛い、愛おしい、たった一人の存在(いもうと)。
例え容姿が地球人でない事を物語っているとしても、飛鳥は間違いなく家族であり、妹であるのだ。
「さて、日が暮れてしまう前に行こうか。飛鳥は今日何が食べたい?」
松陽に尋ねられ、飛鳥はんー、と首を捻ってから手を挙げて答える。
「やき魚!だいこんおろしも!」
「飛鳥は本当に焼き魚が好きだね」
「ほねきれーに取るれんしゅうする!」