【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第8章 空6 温もりの記憶
二匹の存在に気が付いたのか、赤子はピタッと泣き止み、嬉しそうに二匹に向かって手を伸ばしていた。
「……先生…………そいつらは?」
銀時が尋ねると松陽は二匹の事を互いに見ながら答えた。
「今朝この子が居た場所に一緒にいた子達だ。この子から離れる様子もなく、後を着いて来た。……きっと家族なんだろうね」
答えながら二匹の頭を撫でてやる。赤子を大切そうに抱きかかえてくれた松陽は二匹にとって、警戒すべき相手ではないと判断された様だった。
最初見つけた時は驚きの一言だった。木々茂林の中に、布に包まれた赤子と二匹の動物がいた。
地球では見た事がないその容姿は地球外生物である事を物語る。その二匹の足元にいるのは、地球人なのか天人なのか…………。
赤子の側へ近寄ると二匹は激しく威嚇をし、その赤子を護っている事を物語っていた。赤子へ近寄る者は誰であろうと許さない様だ。
見過ごすべきなのだろうか、と悩んでいた所赤子の小さな声が聞こえてきた。
「あ――」
その声は明るく、健康優良児である事が確認出来、ほっと胸を撫で下ろした。
しかし親の姿が全く見えない。捨て子なのだろうか。きっとそうなのだろう。そうでなければ二匹がここまで他者に敵意を向ける理由がないのだから。
「…………」
松陽は優しく微笑みながらそっと近寄り、膝をついて二匹に話しかけた。
「大丈夫、この子を傷付けたりしないから」
優しく語りかけながら赤子を抱きかかえると、不思議そうな表情で松陽の事を見つめていた。人見知りをしない子の様で松陽の姿を見ても泣き出す様子は見られない。
深藍色ふかきあいいろの目に石竹色の髪の毛。地球人とは言い難い色味を持っている赤子をこのまま放置してしまったらこの子の命は……。
「うー、あー?」
小さな手が松陽へ差し出され、手を出せばしっかりと握りしめて笑う。
地球人であろうが天人であろうが、もう見捨てる事は出来なかった。
「私は子供達の塾をやっていてね、行く所が無いのならば家へおいで。歓迎するしこの子を護ると約束しよう」
松陽のその一言に、二匹の警戒の空気が消えてなくなり、松下村塾へと戻った。
「害はない。この子の事をただ守りたいだけみたいだからね」
松陽の言葉に銀時達はおそるおそると二匹に近寄った。