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【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】

第8章 空6 温もりの記憶


 どこからどう見ても、地球の生き物ではないのだが、それに対して怖いなどの感情が湧いてこなかった。
 それは敵意を向けられていないからか、赤子の事を大切そうにしているからなのか。
 どちらでも良い事だと思う位に心地よい空気が広がっていた。

「銀時にこの子達。これからもっと賑やかになりそうだ」

 そう告げられ、小太郎は尋ねた。

「先生が良いのならばこれ以上言わないけど、その子の名前とかどうするんですか?名前が分かる物とか何かありました?」

 松陽は静かに首を振ってから笑う赤子の頬を撫でながら言う。それは本当に父親だと錯覚してしまう程だった。

「この子の親御さんの事も、何も分からなかった。だから名前は付けてあげる事にしたよ。もう決めてある」
「どんな名前にしたんですか?」

 食いつく様に尋ねてくる小太郎に優しく微笑みながら、松陽は空を見上げた。そこには自由に飛び回る鳥達の姿が見える。

「この子の名前は飛鳥。大空を飛ぶ鳥の様に気高く、自由に生きられる様に、と」

 二匹の動物達を見ながら嬉しそうにしている赤子を優しく抱き直してやった。
 この荒れているご時世。これからもっと荒れていく事が明確である世界で、少しでも自由に生きられる様に。
 例え出生が地球人ではなく天人だとしても……。それでも幸福に生きられる様に。

「飛鳥。良い名前だ」
「流石松陽先生」

 晋介と小太郎が言うと、銀時が尋ね言った。

「この二匹は?」

 ぱたぱたと尻尾を振る姿を見て、松陽は答える。

「この子達はまだだ。気に入ってくれる良い名前を付けてあげらると良いのだけど」

 松陽がそう言うと銀時はびしっと指を刺しながら言い出した。

「んじゃあ、お前がポチ公でお前がトリ助な」

 一瞬の沈黙の後、銀時の姿を視界から遮る様に移動して晋介と小太郎は言う。

「良い名前を俺達が考えてやるから安心しろ」
「この部屋に死んだ目をした奴は最初からいなかった。安心しろ」
「ヲイヲイヲイ!お前ら何なんだァ!」

 青筋を立てながら怒鳴る銀時に対し、晋介も小太郎も冷めた目できっぱりはっきりと切り捨てる様に答えた。
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