【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第7章 空5 いかないで
「交換する気になったら何時でも訪ねてくるといいよ」
そう告げると踵を返し雲雀が去ろうとした。
背中が見える瞬間にチリン、とまた鈴の音がした。
「ヒバリさん待って下さい!」
その後を慌てて追う様に綱吉が動いた。背中が見えた。
綱吉の背中を見た瞬間、頭の中がグルグルと回った。それと同時に色々な言葉が飛鳥の脳裏に駆け巡った。
『大丈夫、すぐに帰ってくる』『俺達が戻ってくるまで此処でおとなしく留守番してるんだぞ』『飛鳥が寂しい思いをしない様にこの鈴におまじないをかけておこう』『お前を置いていなくなったりなんかしねェよ』『慕う兄はちゃんと選んだ方がいいぞ。間違ってもあいつは駄目だ。寝てばかりの馬鹿だから』『わしゃらは飛鳥が待っててくれるから安心して出かけていけるじゃけえ』『飛鳥を護る事が兄として当然の役割だ。あいつ等は心配かもしれないが俺は大丈夫だ』『飛鳥が侍ィ?やめとけやめとけ』『ほら、これならばお前にだって持てるだろ。いきなり刀なんて重いに決まってる』『飛鳥は幸せ者だね。何時も側にいてくれる兄がこんなにもいるのだから』『アッハッハッ!飛鳥の笑顔見ただけで痛みが何処かに家出したき!』『留守を頼む。飛鳥の側を離れないで欲しい』『俺が…………俺が今日から君のにぃになるから』
『行ってくる』
「…………っ !! 」
全身からざわめきが爆発した。言葉が口から考える前に叫び出た。
「『いかないで』!」
「「「「「 !? 」」」」」
突然の飛鳥の叫びに全員の動きが止まった。視線を送った先にいる飛鳥の表情は…………泣いていた。無表情ではない、苦しそうな泣き顔。
「いかないで!いかないで!いかないで !! 」
「飛鳥っ !? 」
綱吉は大慌てで飛鳥の元へと駆け寄り肩を掴んで落ち着かせようとする。飛鳥の声は叫びではなく最早悲鳴だった。竹刀袋を握りしめ、ボロボロと涙を流しながら叫ぶ姿は綱吉すら初めて見た。
「いかないでっ……いかないでっ !! 」
「飛鳥っ!落ち着いて!大丈夫だから!何処にもいかないから!誰もいかないから!」
飛鳥と綱吉のやり取りに誰も動けず、声を掛ける事も出来ない。綱吉ですら明確に何が起こっているのか把握出来ていない事は全員分かっていたから。