【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第7章 空5 いかないで
「……いかないで……にぃ…………いかないで……」
ガタガタと震えながら、まるで事切れそうな可細い声を飛鳥は出した。
「銀にぃ……晋にぃ……小太にぃ……辰にぃ……何処…………何処にいるの」
『飛鳥』
「せんせ…………松陽先生……何処……」
一日たりとも忘れた事などない。大好きな大切な存在。大きな、大きな頼もしい後姿。
でも最後に見たその後ろ姿は…………。
「…………せんせ……」
そこで飛鳥の意識は途絶えた。意識を失い、膝から崩れ落ちる飛鳥に綱吉は真っ青な顔で抱きかかえた。
落ちた竹刀袋がガシャン、と重々しい音を立てて。
「飛鳥っ!」
綱吉の叫び声にハッとして獄寺達も声を上げた。
「飛鳥ちゃん!」
「飛鳥!」
「妹様!」
慌てて二人の元へ駆け寄る姿を雲雀は何も出来ず、何も言えずに立ち尽くしていた。予想打にしない現状に理解が追い付かなかったのだ。
たかが髪飾り、たかが竹刀…………ではないのか。
天才と馬鹿と呼ばれる沢田兄妹の存在は並盛中では有名であり、その存在は雲雀の耳にもしっかりと入っていた。
目立った問題行動がある兄妹ではないが、異質な存在である事は何度も風紀委員からの報告で把握をしていた。
特に妹の…………。
「……草壁」
ボソッとした小声だったがしっかりと聞こえていたらしく、すぐに角の影からガタイの良い男性が歩み寄る。
「委員長」
「アレ……すぐに保健室に運んで」
倒れたまま目を覚まさない飛鳥と取り囲んでいる綱吉達の方を静かに見ながら雲雀は命令した。有無言わせない態度にも慣れきっているのか草壁は静かに近寄り、膝を付いて綱吉に告げた。
「取りあえず保健室に運ぶから彼女を渡してもらいたい」
「ふざけんじゃねぇぞ !! 」
草壁の言葉に獄寺はダイナマイトを構え、今にでも投げ飛ばしそうな勢いだ。青筋を立て、本気で怒っているのが伺えた。
「テメェ等が妹様に嫌がらせした癖にどの面下げて…………っ」
「取りあえず運んでもらえ。それが最善だろう?」
「リボーン !? 」
獄寺の声を遮って告げたのはリボーン。何時からいたのか何処まで見ていたのか分からないが。ひょいっと木の上から飛び降り、綱吉に言う。
「このまま連れて帰ったらママンがどう思うだろうな?」
「…………」