【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第7章 空5 いかないで
自信なさげに答えながら飛鳥の方へ視線を送ると京子に話しかけられている姿が見えた。後ろ姿なので表情は見えなかったが京子の笑顔を見る限り、飛鳥はいつもの無表情でいるのだと言う事だけ理解出来た。
「鈴なら風で飛ばされるとかもなさそうだしな~~」
しゃがみながらキョロキョロと周りを見ながら言う山本の動きに合わせて綱吉も視線を移していく。確かに結い紐は紙ではないし鈴も付いているのだから風で飛ばされる、なんて事は無い。
あるとしても風で転がってしまう位だからやはり落としたと思われる並盛神社の周辺の何処かに落ちている、と思いたかった。
昨日探して見つからなかったから側溝に落ちているのではないかと言う話も出て、懐中電灯も持参した。昼間でも薄暗い側溝なのだから懐中電灯の光を鈴が反射してくれれば分かる。
ぶつかった人物が持っていった可能性が否定出来ないが、かと言って拾ってくれたとも言えないこの難しい状況。
藁にでも縋る気持ちで側溝に光を当てながら結い紐を探し始めた。
「そのぶつかったって奴も使えませんよね!すぐに妹様を追いかけて渡せば良かったのに!」
グッと強く懐中電灯を握りしめ、眉間に深々と皺を刻む獄寺に対し山本はいつもの笑顔で宥める様に言う。
「まーまー。ぶつかったからって落ちたのに気が付いたかどうかは分かんねーだからさ。追いかけようとしたけど飛鳥足早いから追いつかなかった、って可能性もあるし」
「うるせぇ山本!妹様がどれだけお辛い思いをしていると思ってんだ!きっと今も心を痛めていらっしゃるに決まってるだろうが !! 」
「飛鳥顔に出さないから分からないけどなー」
「あはは……」
二人のやり取りに苦笑いをしながら、そっと飛鳥と京子の方に再び視線を送った。二人は今垣根の下を懐中電灯をあてて探している。京子が常に声を掛けてくれていたが飛鳥は相変わらずの無表情のまま……。
(……どうにかしても結い紐を見つけないと…………。最悪リボーンに頼む事になるとしても…………)
リボーンに頼る事を飛鳥関連ではどうしてもしたくないのだが、この自分の下らないプライドなんか飛鳥を笑顔にする事が出来るのならば喜んで捨ててやる。自分が傷付いてでも飛鳥には傷付いて欲しくなかった。
「…………」
二度と飛鳥を傷付けないと決めてきたのだ。
