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【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】

第5章 空3 少女の笑顔


「…………」

 その頃何かをする訳でもなく、目的もなく、飛鳥は並盛神社にいた。この日本特有の空気を出す空間が落ち着く。昔から変わらないその風景が飛鳥は大好きだった。
 今日も学校を休んでしまった。別に授業が嫌ではないし、面倒だとも思っていない。
 ただ、居たくないと思ったのだ。
 綱吉に対する周りの目が変わった。駄目ツナと呼ぶ人が圧倒的に減って、ツナと呼ぶ人が増えた。あれ程憧れていた京子とも仲良くなって、まだたまーにだが話が出来て本当に喜んでいた。
 それは本当に喜ばしい事で自分の事の様に嬉しく思っている。


 思っているのだが、心の奥がモヤモヤしたのだ。


 モヤモヤしている理由が飛鳥には理解出来なくて、そのモヤモヤが学校に行く事を拒んでいた。
 時々だけれど心がモヤモヤする。そのモヤモヤが出てくると学校に行かずに、一人静かに神社に足を運んだ。そしてモヤモヤが無くなるまで通い続ける。
 此処にいる事は流石に綱吉も知らない。別に隠そうとしたつもりは無かった。ただ、結果的に隠しているみたいになってしまったのだ。

「…………」

 静かに時間だけが流れていく。人一人いなく、聞こえてくるのは風と共に歌う木々の音だけ。


 それが懐かしい風景と記憶を思い出させていた。


 「………………せんせー……」

 木々の音にかき消される程か細く呟いた。弱々しい呟く声に対する返答はなく、また静寂が神社を包み込む。今は何時なのだろう、どれ程の時間此処に居たのだろう。もう授業が終わった時間かもしれない。
 綱吉が帰ってくる時間かも。
 そう考えた所で帰ろうかと思い腰を上げた。でも歩き出す事に対してはすぐに行わなかった。自宅にはリボーンがいる。家庭教師としての務めをしているから。


『お前、本当に妹なのか?』


 リボーンが投げ掛けた一言。それに対して何も答えなかった。綱吉にその話をされたら無視をしろと言われたから、と言う事もある。
 でもそれ以上に答えなかった理由が本当は合った。それは綱吉にも伝えていない飛鳥の小さな疑問。
 そんなにも…………。


 そんなにも自分は綱吉の妹として釣り合わない存在なのだろうか。


 何が駄目なのだろうか。綱吉みたいに誰に対しても優しさを見せる事がないからだろうか?何を言われても喜怒哀楽がないからだろうか?
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