【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第4章 空2 崩れた日常
挨拶所か一言しか発していないのだから。
「あら、それじゃあちゃんと挨拶してこなきゃ駄目よ。今ツナの部屋でツナとお話しているから、アーちゃんも行ってらっしゃい」
笑顔で言う奈々に飛鳥は乗り気じゃなかったが、椅子から立ち上がった。すぐにリュウとフェイへと視線を送ると、奈々は笑顔で言ってくれた。
「二人の事は私が一緒にいるから大丈夫よ」
ニコニコと言う奈々に飛鳥は小さく答える。
「…………うん、じゃあ行ってくる」
そう告げ、あまり行きたくないと思いながらも、飛鳥は階段を上って部屋へと歩いていく。
綱吉の部屋が近くなるにつれて何やら綱吉の困惑している声が聞こえ、飛鳥は首を傾げながらもドアを開けた。
「綱吉、奈々が家庭教師に挨拶しなさいって」
説明をしながら部屋を見た飛鳥は状況が飲み込めず、再び首を傾げた。
あの赤ん坊は奈々も言ったのだから家庭教師である筈、だ。でも今自分の目の前にいる赤ん坊はその手に立派なライフルを構えているのだ。
「……綱吉射撃もするの?」
取り合えず尋ねてみると全力で綱吉は言った。
「しないしない!てか飛鳥!この変なのに巻き込まれない内に下に戻った方が良いって!」
「変なの……?家庭教師じゃないの?」
尋ねる飛鳥に綱吉は何とも言えない表情で口篭っている。どうやら綱吉も状況を飲み込めていないらしい。そんな綱吉を見てなのか、飛鳥が来るのを待っていたのかリボーンが話し掛けてきた。
「改めて自己紹介するな。オレの名前はリボーン。イタリアからある男の依頼で沢田綱吉をマフィアのボスにするのがオレの本当の目的だ」
ジャキ、とライフルを構えるリボーンに飛鳥は何も返答しなかった。ただ黙ってリボーンの事を見下ろしていて、上から下までまじまじと見ている様だった。
その目が若干冷たく見えるのは気の所為ではないと思う。
(あ――飛鳥完全に警戒しちゃったよ……当たり前だけど)
リボーンが怪しいのは勿論の事だけれど、飛鳥があっさりリボーンの存在を受け入れない事など分かりきっていたので、綱吉は頭を掻きながら思っていた。
飛鳥の他人嫌いは異常な程酷い。心を開いて話すのは家族だけだ。
そんな飛鳥だからリボーンの事をどう思い感じるのか予想は付いていたが、いざそれを目の前にしてしまうとやはり困る。