【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第24章 第二十一話 ヘイジョウシン
ボロッと零してしまった言葉に池ヶ谷の動きが止まる。じっと見上げてくる池ヶ谷を抱き締めて、幸福を堪能してやる。
今この瞬間、俺の部屋だけが俺達の世界の全てだ。
誰も入る事は赦さない不可侵空間。俺の事だけを見て俺の名だけを呼び、俺にだけ助けを求める理想の空間が永遠に続けば、どれだけ幸せでいられるだろうか。
平常心を保って隠しているのがもどかしかった。
二人で食べ終わったので食器をお盆に戻して言う。
「絶対に誰にも気付かせない。平常心保てみせる」
俺の言葉に池ヶ谷は静かに頷いた。
(2016,4,5 飛原櫻)