【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第24章 第二十一話 ヘイジョウシン
はぁ、と溜息を付いてから言う。
「俺部屋で休んでるから。母さんも疲れてるだろ?」
「そうねぇ。ゆっくり休みたいし夜は出前にでもしようか」
「おう」
頷くと階段を上って部屋の前に立った。ココン、てドアを叩いてから開けた。
「っ !! 」
中に入るとベッドの上で布団を被って身を隠していた池ヶ谷が怯えた顔で俺を見てきた。ボスっとベッドに腰掛けて抱き寄せて言う。
「全く気付かれてねーから安心しろ」
「わたっ……わた、し……」
震える池ヶ谷に皮肉を含めて言ってみる。
「それとも大声出して助けでも求めるか?そうしたら俺少年院行きか?」
「…………っ!」
俺の言葉に池ヶ谷は真っ青な顔になり、震える手で俺の服を掴む。どんな恐怖で震えているかは分からない。それでも怯えている事だけは確かで。
「いわっ……誰にも言わない……っから」
一人にされるのが怖いのだろうか、縋る様な目で俺を見てくる。誰に助けを求めるのが最善なのか。今の池ヶ谷には判断が出来ないらしい。
一番逃げたい相手に助けを求めるしかないなんて、なんて滑稽なのだろうか。
「声は小さくベッドから絶対に降りない」
「守るからっ……独りにしないでっ……」
ぎゅっと俺の手を握り締めて言うから、抱き寄せてやる。相変わらず震えていて、俺に抱き着く手の力も弱々しい。
池ヶ谷を抱き締めながらも、親の動きを聞き逃さない様に耳は研ぎ澄まさせる。池ヶ谷がいる事がバレて引き離されるのだけは避けたい。
パサっと布団を被せ咄嗟に隠せる様にしておく。鎖も上手く見えない様に隠してしまえば、取り敢えずは大丈夫だ。
布団で自分の事を隠されている事は池ヶ谷にも分かるらしく、同時に安心するみたいだ。多少だが顔色が良くなっていた。
それにしても親が帰ってきて、池ヶ谷の存在がバレない様に隠すのが思ったよりも緊張する。ただいるだけだったら違うのだろうが、服を奪い全裸にし、首輪を付けて拘束しているのだ。
これで何もしていない、なんて考える奴なんて一人もいないに決まっている。
高校生になった年頃の男女だ、全裸の女がいたら考えられる事なんか一つだけだ。
全裸の池ヶ谷を俺以外に見られるのも、絶対に嫌だから上手くやってみせる。
絶対に見つからない様に隠し通してやる。
しかし声も音も出せないとなると出来る事が一気に減る。