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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第16章 第十三話 ハキツヅケ


 ガリっと引っかかれてしまい痛みで一瞬に萎えてしまった。分かりやすい俺の反応に池ヶ谷が慌てた様子で見てくるので抱き締めて呟いた。

「出るか……風呂」
「う、うん」

 ぐったりする俺に池ヶ谷は慌てた様子で何度も頷いた。

「だ、大丈夫?」
「……おう」

 身体を拭いてもらいながらチラッと鏡に映る自分の背中を見た。
 幾つもの引っかき傷がミミズ腫れしているし、若干血が出ているっぽい所もあった。それを身体を拭いてくれている池ヶ谷が申し訳なさそうに俺を見上げている。

「痛ぇけど気にすんな。俺が頼んだんだし」
「で、でも……」

 俺を傷付けてしまった事が本当に嫌だったのか、あまり俺の顔を見てこようとしないので、クイッと顎を掴み上げて言う。

「伊織は悪くない」
「……飛雄様」
「伊織に傷付けられてすっげー嬉しい。俺は伊織のモノだ、って見せ付けられてるみたいだ」

 それでも納得出来なさそうな表情のままである池ヶ谷に俺は言ってやる。

「じゃあ俺も伊織に傷、しっかり付けてやるよ。おあいこ、ってな」

 ニィっと笑うと池ヶ谷の胸元をがぶりと噛み付く。驚きと痛みで萎縮していた。ジワッと鉄の味がしたので離してやると、くっきりと歯型と血が滲んでいる。

「痛むか?」
「い、痛い」
「お互い様だな」」

 胸元の歯型に触れると痛みでビクッと震えられた。
 まだ髪の毛から雫が垂れていたが気にせずひょいっと池ヶ谷を抱き上げ、自分の服を持ってすたすたと部屋へ戻る。
 ぽすっと定位置のベッドに座らせ、首輪を付けるとぽんぽんとタオルで血が滲む胸元を拭いてやる。そんなに出血している訳じゃないし、瘡蓋も出来ずにすぐに治るだろう。
 池ヶ谷に胸元のタオルを自分で持たせて、ドライヤーで長くはない池ヶ谷の髪を乾かし出す。わしゃわしゃと髪の毛を乾かされるのをじーっと見ている。

「髪の毛乾かしたらちょっと寝るぞ。疲れて眠い」
「う、うん」

 取り合えず頷く事しか出来ないので池ヶ谷は頷く。ある程度乾いたと判断したら今度は自分の髪の毛を乾かす。生乾きは正直好きじゃないからちゃんと乾かす。
 池ヶ谷と違って短髪の髪の毛はすぐに乾くのでぽい、っとドライヤーを投げ捨て有無言わせずに抱き付いて、そのまま横に倒れた。

「ねっみい…」

 大きく欠伸をしてから胸の中に抱き締めて寝ようとすると慌てた声で言われた。
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