【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第4章 第一話 キッカケ
「一週間もあると、色々と買い揃えておかなきゃいけない物って多いね」
清水先輩に渡されたらしいメモ書きを見ながら言う横顔をじっと見ていると、笑顔を向けられて言われた。
「早退本当にごめんね!今回だけはお願い!次からはちゃんと一人でいける様に場所と道覚えるから!」
パン、と手を合わせる姿に無言で俺は頷いた。
◆
「思ったよりも遅くなっちゃったね。時間大丈夫?」
「あ~~……うん、今日は親帰り遅くなるって言ってたから多分平気」
なんだかんだスポーツショップを何軒も周っている間に時刻は二十時を指してしまい、夏でも日はとっくに暮れてしまっていた。
「つかお前の方が大丈夫なのかよ?親心配してねーのか?」
部活とは言えど時間が遅くなれば親が心配するのは当然。それが女子ならば尚更だ。
俺の言葉に対して予想外の言葉が笑顔と一緒に返ってきたのだ。
「うん、大丈夫だよ。実は今日から一週間親出張で二人とも留守なんだよね」
えへへ、と笑うその姿から発せられた言葉に、俺の理性を繋ぎ止めていた糸が一本切れる音が確かに聞こえた。プツン、と言う音が脳裏にはっきりと。
その音が聞こえたのと同時に、俺の口から言葉が勝手に出てしまっていた。
「俺の家すぐそこなんだ。ちょっと飲み物でも飲んで行くか?」
誘い文句としては一切不自然さはない。元々選手とマネージャーとして信頼関係はそれなりに出来上がっているのだから。
俺の思惑通り、笑顔で返事が帰ってきた。
「いいの?実は喉渇いてたんだ。すっごい助かるよ」
拒絶のない言葉に心底安心しつつ、すぐ近くにある自宅へと歩みを進める。その間も警戒心ゼロの池ヶ谷は笑顔で雑談に花を咲かせている。
本当に楽しそうに、信頼した表情で――――。
数分で到着した自宅はあたり前だが電気一つついていなく、誰も帰宅していない事を物語っていて分かっていたが安堵した。
ガチャ、と鍵を付けて電気を付けても静寂。無人、だ。
「俺の部屋二階にあるから」
「お邪魔します。先に行って大丈夫?」
「ああ、階段上がった突き当りの部屋だから」
「うん」