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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第13章 第十話 ショウキュウシ


「早く炊けねーかな」
「もう少しの我慢だから」

 駄々をこねる子供をあやす様に言う姿は、まるで母親そのものだ。池ヶ谷の将来の姿を見えた気がして、胸一杯になってますます抱き締めてしまう。

「飛雄様洗い物しにくいよっ」
「伊織が可愛いのが悪いっ」

 甘える様に抱き着き続ければ、池ヶ谷は仕方ないと言う表情で洗い物を再開した。慣れは怖い事なんだと他人事の様に考えていた。
 洗い物が終わる頃に炊飯器の炊ける音が鳴り、食欲に素直な俺はソワソワとし出す。その姿がそんなに面白いのか、池ヶ谷の笑い顔は止まらない。

「ご飯どれ位入れる?」
「大盛り !! 」
「大盛りだね」

 クスクスと笑いながらポンポンとお皿に山盛りの白米をよそっていく。米を入れたらその上にルーをかけて、最後に好物の温玉を乗せて完成、だ。
 美味い香りを漂わせる皿を真剣に見つめていた様だ。池ヶ谷が言う。

「出来たから食べよう」
「おう!」

 自分の分もよそい終わったみたいでお、皿を二つ手に取りテーブルへと運んだ。

「飲み物多分ペットボトルの茶あるから」
「うん、出してくるね」

 ジャラ、と鎖の音を鳴らしながらも距離が長さの範囲内だったらしく、池ヶ谷は何事もない様にペットボトルを持ってきた。
 俺の隣の椅子に座る様に呼べば、ちょこんと隣に腰掛けた。近過ぎず遠過ぎずの距離がくすぐったく感じた。

「食べよっか」
「おう」

 すっと手を合わせていただきます、とカレーを口に含む。食べ慣れている味の筈なのに滅茶苦茶美味くて、ガツガツと食べる。

「そんなに急いで食べなくてもカレーは逃げないよ?」
「動き過ぎヤり過ぎで腹減ってんだよ」

 ガツガツとまるで流し込む様にペロリと食べ終わった。池ヶ谷の皿なんてまだ半分も残っているのだから少食なのかと思いつつ、じっと胸元に目をやり見つめる。

「どうかしたの?」
「いや、少食にしては胸育ってんなぁ、って思ってた」

 むにっとTシャツ越しに揉みながら真剣に考えて呟く。

「チビだけど胸あるし栄養全部こっちにいったのか?すげーな、それ」
「あ……あの…………食事中は触るの止めてくれない?」

 顔を赤くしながら言うから名案と言う顔で言う。

「じゃあおれの椅子に座れよ。そうしたら伊織は飯食えるし俺は揉みたいだけ揉めるし」
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