【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第13章 第十話 ショウキュウシ
「伊織」
「…………ひゃっ !? 」
適当にカバンから取り出したTシャツを、池ヶ谷に着させた。服は駄目だと言われていたのにいきなり被せられ、驚きの表情で俺を見ていた。
「それお気に入りのTシャツなんだから、絶対に汚すんじゃねーぞ」
ビシッと指を指しているのは『セッター魂』と書かれているTシャツ。セッターとしての俺にぴったりで、見つけた瞬間に即買いしたヤツだ。
もそもそと袖に腕を通し半日ぶりの服に、下着は無いとは言え嬉しそうな表情をしていた。
「えっと…………」
どうしたのだと言いたそうな表情にきっぱりと言う。
「腹減った!」
「ふぇ?」
「だから腹減った!俺達昨日の夜からずっとヤってて飯食ってないだろっ?」
「そ……そうだ……ね」
性欲よりも食欲が勝った俺に呆気に取られているらしい。どっちも生理現象なんだから仕方ないだろうと軽く睨みつけてから、首輪の鎖を引っ張って抱き寄せて命令する。
「飯、作れ!」
「えと…………」
困惑を隠せずにいる池ヶ谷の腰をがっしりと抱き寄せ、睨み付けて言う。
「伊織も喰いたいけど飯も食いてぇ !! 」
怒鳴る様に言ったら目を丸くしてから、池ヶ谷はクスクスと笑い出した。笑顔。自分で奪っているくせに半日ぶりに見せた何時もの表情で、ドキッとしてしまった。
俺の腕の中でクスクスと笑って言う。
「私もお腹空いた。何でも作れる訳じゃないけど何食べたいの?」
「カレー!」
「温玉乗せの?」
「当たり前だろ!」
きっぱりと応えるとまたクスクスと笑う。部屋の空気もなんだが和んだ様な気がした。
やっぱり池ヶ谷の笑顔の力は凄い。だから独り占めしようと穢してしまったのだが。
「材料あるかな?」
「多分」
「じゃあ作りに行こう?……あ、でも…………」
池ヶ谷はジャラと自分を拘束する鎖を、暗い表情で見つめた。鍵が掛かっている以上、池ヶ谷は自分の意思でこの部屋から出る事は出来ないのだから。
首輪の鍵は俺が厳重に持っていて、手に入れる事は出来ない。
「首輪は取らない。ベッドに繋いである方の鍵外してやるから」
言いながらベッドの足に固定してある鍵を外し、しっかりと鎖を握り締める。首輪と鎖で繋がれて、全裸に俺のTシャツを着ているだけの姿。
……急にムラムラした。