【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第64章 another:10
不自然にならない様に気を付けながら、影山君の傍を離れない様にする。
難しいけれど、人が多いお祭に部活メンバー皆でいるのだから、目立たない筈。
トン、と小指と小指が触れるとつい手を握りたくなってしまう。
それに耐えつつ、皆で屋台を回る事になった。
◆
楽しい時間が過ぎていく。屋台で色々な物を食べ歩いていると、射撃屋を見て日向君が食い付いた。
「おれ射撃やりてぇ!」
たたっと駆け寄るので皆で仕方ないと着いて行って景品を見る。
「ここポイント制みたいだね」
「む、難しそう……」
山口君と仁花ちゃんの会話を聞いて、日向君が言い出した。
「一年四人で誰が一番ポイント取れるか勝負しようぜ」
「え?絶対に嫌だけど」
即答で嫌がった月島君に、日向君はにぃっと笑って言う。
「ははーん、月島君は射撃が苦手だから逃げるんですねぇ?」
日向君に挑発をされても月島君は流す事が多いのだけれど、今日は違ったみたい。
気に入らない、と言わんばかりの表情でお金を出して言い返している。
「別に苦手なんて言ってないけど」
「じゃあ勝負だな。影山と山口も早く早く」
バチバチと火花を飛ばす日向君と月島君に続く様に、影山君と山口君も準備を整える。
影山君も日向君には負けたくないみたいで、やる気があり、完全に乗り気でないのは山口君だけみたいだった。
「ふわぁ……これは誰を応援すれば……」
わたわたと慌て出す仁花ちゃんに、たこ焼きを買い込んでいたらしい西谷先輩が答えた。
「面白そうだな!俺は○陽を応援するぜ!」
「西谷、皆応援するでよくないか?」
東峰先輩が困り顔で言う中、烏野排球部一年による射撃勝負が行われた。
「いちご飴買ってきたべー。女子はミッキー型のりんご飴だべ」
「あ、ありがとうございます」
菅原先輩から飴を受け取っている間に勝負が付いたらしく、日向君が叫んでいた。
「くっそぉー!ラストいけると思ったのに」
「所詮日向だからね」
「日向だしな」
「まぁまぁ」
どうやら日向君最後の一発を外してしまって勝ちを逃してしまったみたいだった。
誰が勝ったのかな、と思っていると山口君が私と仁花ちゃんを手招きしてきた。
「「 ? 」」
仁花ちゃんと顔を見合わせてから行くと、山口君が説明してくれた。