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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第64章 another:10


「俺もだけど……てかツッキーを無視しないでくれない !? 」

 ぎゃーぎゃーと騒いでいるのを見守っていると、田中先輩は言う。

「俺達も潔子さんの隣に立って恥ずかしくない様に浴衣着るぞ!着付けは俺ん家に任せろ!日向は浴衣持ってこい!」
「いや、だから僕はいいんで……」

 騒ぐ話を聞きながら、私が思っていた事は一つだけだった。

(影山君の浴衣姿……)

 見た事がない影山君の浴衣姿を見たくてソワソワしてしまった。そしてバチッと目が合う。
 白福さんの言葉を思い出して慌てて目を逸らすと、影山君の声がした。

「じゃあ……お願いします」
「おっ?影山にしては珍しいな!じゃあやっぱり月島も山口も着るぞ!」

 強制的に田中先輩達に連れて行かれるのを見送ってから、私達も移動した。
 女子更衣室で影山君に付けられているキスマークが見付からない様に手早く着替えていると、清水先輩に尋ねられた。

「伊織ちゃんも仁花ちゃんも着付けは出来る?」
「お母さんが」

 仁花ちゃんが答えたので、私も答える。

「私は自分で出来ます」
「出来るんだ!伊織ちゃん凄い!」

 羨望の眼差しを送ってくる仁花ちゃんに、私は恥ずかしそうに答えた。

「ほら……私、胸の所為で和服着るの大変だったから、お母さんが和装下着とか一通り用意してくれて、着方教えてもらってるんだ……」
「胸があると難しいものね。じゃあ皆着替えてから集合になるし、田中達も言ってたし四時に鳥居前に集合ね」

 清水先輩に言われ、私と仁花ちゃんは頷いて各自着付けの為に帰宅をした。





 帰宅をして、お母さんの部屋にある和箪笥から浴衣と和装下着を取り出して、下着まで全て脱いで全裸になった。
 上から下までキスマークだらけの身体を見ながら、肌着を纏っていく。
 大きくなり過ぎた胸を綺麗にしまえるのか不安だったけれど、無事に着られて一安心して浴衣を着て帯を締める。
 白色の生地に薄らと桃色のグラデーションに染まり、唐紅色のダリアの花が散りばめられている柄の浴衣。

「髪の毛も纏めた方がいいよね」

 どうしようかと迷った結果、緩めの三つ編みを両サイドに編み込む。
 編み込み終わったら浴衣に合わせたダリアの髪飾りをして完成。

(……影山君に可愛いって言われたい)
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