【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第64章 another:10
「今日烏野の近くの神社で縁日ッスよ!旭さん!」
「そう言えばそうだったなぁ。東京遠征やら春高予選ですっかり忘れてたよ」
お昼休憩中に西谷先輩と東峰先輩の話に皆が反応した。
「春高予選も無事に通過したお祝いみたいな感じで皆でお祭行くってのはどうですかね !? 」
「あー、西谷の下心全部分かったなぁ……」
困った様子で答える東峰先輩が澤村先輩に視線を送っていると、職員室から戻ってきた武田先生と烏養コーチに田中先輩も言う。
「たけちゃん!コーチ!俺達学生だし、春高予選無事通過したし、ご褒美って事でお祭行きたいんですけど駄目ですかね !? 」
「お前ら勝手に話を進めて……」
怒りながら近寄っていく澤村先輩を菅原先輩は静止して、珍しく同調していた。
「まーまー大地落ち着くべ?それに良いじゃん、縁日」
菅原先輩の言葉に続く様に武田先生も言ってきた。
「そうですね、春高で忙しいとは言え君達はまだ学生。学生の間に色々な事を体験するのも、また大事な事ですから。烏養君、今日は早めに終わりにしてお祭りに行かせてあげませんか?」
「そうだなぁ……リフレッシュ、って意味合いで今日はもう終わりにするか」
頭を掻きつつ言うと、西谷先輩と田中先輩が飛び跳ねるのと同時に清水先輩の前に膝を付いて言う。
「潔子さん、一緒に俺達とお祭行きませんか?」
「是非、潔子さんの美しい浴衣姿が見たいです」
それを言われた清水先輩は二人を無視して、私と仁花ちゃんに話し掛けてきた。
「二人は浴衣持ってる?折角だから三人浴衣合わせなんてどうかな?」
「うわぁ、良いですねぇ!伊織ちゃんは浴衣持ってる?」
「うん、持ってるよ。浴衣合わせとかワクワクしちゃうね」
私と仁花ちゃんは西谷先輩と田中先輩の事を気にしつつも、何時もの事でもあるしなぁ、と割り切って話をする。
「ガン無視!」
「流石潔子さんっ!」
「お前らなぁ……」
それでもめげないみたいで、田中先輩が巻き込みを開始し始めた様だった。
「一年ズ!お前ら浴衣は持ってるか!」
「え……清水先輩に相手にされなかったからって、僕ら巻き込むの止めてもらえません?」
月島君の嫌そうな声色を無視する様に日向君が答えている。
「俺持ってます!影山と山口は?」
「あ?俺は持ってねぇよ」