【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第62章 another:8
影山君に相応しい存在なのか不安になりつつ、二人で出掛けていった。
◆
「下着、それだけ買えば取り敢えずは大丈夫そうか?」
影山君が付き添ってランジェリーショップで無事に下着を買う事が出来た。でもまさか二カップもサイズが上がっていたのは予想外で、恥ずかしかった。
試着室でスリーサイズまで測られてしまい、身体のサイズも知られてしまった。
影山君は私の事は基本的に忘れる事が無いので、サイズは完璧に覚えてしまっているだろう。
影山君の趣味と脱がせやすいからと言う理由で、初めて紐パンを買ってしまった。
布地も少なめなのを選んでいたので、履いている筈なのに、スカートの中がすーすーとしている様で落ち着かなかった。
(下着買ったし……もう帰るのかな…………)
折角の夏休みにお洒落をして出掛けているのに、あっさり帰るのは正直寂しい。
影山君は思ってないと思うけど、私にとっては初デートなのだから。
すれ違う人の中にはカップルが何組もいた。楽しそうにデートしている姿が羨ましくて、見てばかりいたのだと思う。
影山君が私の持っていた袋を持つと、歩きながら言ってきた。
「わざわざこんな遠くまで来たんだから、スポーツショップ見てく」
「……うん」
「それが終わったら……何処行きたいんだ?」
「え?」
顔を上げて影山君を見ると、立ち止まって言われた。
「だから伊織、何処か行きたい所でもあるんじゃないのか?」
「…………えっと」
私が口篭ると、影山君が握る手を強くして言う。
「デートだろ、これ」
影山君の口からデートと言う単語が出て、ボンと顔が赤くなってしまった。
影山君も今日のお出掛けをデートだと認識してくれていた事が嬉しくて、本当にデートしていたんだと言う事実が恥ずかしくて。
好きな人と、影山君とデートなんて恥ずかしくてすぐに答えられない。
私が照れているのに分かったらしく、再び歩き出して言ってくれた。
「時間はあるから行きたい所見付けたら言えよ」
「……うん」
影山君とのデートが嬉し過ぎてどうにかなりそうだった。
周りから見て私達もカップルに見えたりするのかな、と落ち着けないのだけれど、影山君が私の身体から手を離す事はなく、常にくっ付いていて幸せだった。