【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第61章 another:7
私も同じ目をしているのかな、と思いながら倉庫から出ていく影山君の後ろ姿を見送った。
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バーベキューの準備も出来、肉も野菜も良い具合に焼け、合宿お疲れ様バーベキューが始まった。
やっぱり男子のお肉への食い付きは凄く、気迫に負けてしまって仁花ちゃんと二人わたわたしてしまっていた。
「す、凄いねぇ……」
「私達……食べられるかな……」
バレー選手である彼らは高身長の人が多く、私も仁花ちゃんも小柄に部類されるので、体格差で鉄板にまで近付けない。
「お肉の良い匂い……伊織ちゃん!私行ってくる!」
「仁花ちゃん!」
いざ、お肉へ!と突撃を始めた仁花ちゃんがすぐに見えなくなってしまい、どうしようかとしているとスっと横から私のお皿に焼き立てのお肉と野菜が乗ってきた。
「影山君」
「取れないと思ったから持って来たけど、谷地さんは?」
食べ物を持ってきてくれた影山君の言葉に慌てて仁花ちゃんが向かった方を見たら、何故か先輩高身長のメンバーに取り囲まれていた。
何やら色々と言われていて、仁花ちゃんがこの世の終わりの表情になっている。
「ひひひ仁花ちゃん !? 」
私の言葉にやっと逃げ出せた仁花ちゃんがフラフラの状態で戻ってきた。
ものの一分足らずで仁花ちゃんが枯れきってしまっている。
「……伊織ちゃん……ごめんね……私にはやっぱり無理だったよ……お肉は人生の味がした……」
「だだ大丈夫だよ、仁花ちゃん!影山君がお肉と野菜持ってきてくれたよ!」
慌ててこんもり盛られているお皿を見せると、仁花ちゃんの顔に生気が戻ってきて言う。
「影山君ありがとうぅ~」
「欲しいのあるなら取ってくるんで言ってくれれば」
「影山君だって沢山食べたいのに本当にありがとうぅ~」
今にも泣き出しそうな顔で喜びお肉を頬張る。鉄板焼き立てのお肉は一段と美味しくて、二人笑顔になった。
「美味しいね、仁花ちゃん」
「本当にだねぇ、伊織ちゃん」
私達の話を聞いていたのか、ひょこっと菅原先輩達が来てくれて言う。
「ごめんごめん、やっちゃんと池ちゃんの事、もっと気遣ってあげなきゃいけなかったのに」
「ついつい月島に山盛りしてたけど、二人にやるべきだったな」
「二人共、お茶飲む?丁度ツッキーに麦茶持っていこうとしてた所だったから」