【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第55章 another:2
された事を思い出すと下腹部が熱くなってくる。こんな事になっているのに、性的興奮をしてしまっている。
逃げなければ、と音を立てずにベッドから降り、鞄を探すけれど見当たらない。
荷物は後でもいいとドアノブに手を伸ばし、自分の格好を思い出しドアを開ける事が出来なかった。
全裸で外に出る勇気がない。それにただの全裸ではなく、陰毛を剃り落とされて下半身全てを晒している。
影山君の家から自宅まで遠くはないけど近くもない。
その距離を裸で、誰にも見つからずに帰れる自信がない。
それに鍵はカバンの中だし、オートロックであるマンションの出入口には監視カメラがある。
カメラに全裸の姿を撮られたらどうしたらいいのか分からない。
逃げられない、私はこの部屋から出る事も、影山君から逃げる事も出来ない。
どうすればいいのか分からず力が抜け、その場に座り込んでしまった。ドアノブを掴む手も力が入らず、するっと離れ落ちた。
これからどうなるのか分からない。何時までこの状況が続くのか分からない。
影山君が私に向かって妊娠しろ、と情事中に言った言葉を思い出し、お腹に手を宛てる。
「……私……影山君の子供、妊娠するまで……出られないの?」
怖い、妊娠するのが怖い。
まだ十五歳の私には妊娠も出産も遠い話で、現実味はない大人の世界で想像も付かない。
確かに身体は生理を迎えていて、子供を作る事が出来るけれど、それはもう少し先の話だと思って生きてきた。
それなのに突然、有無言わせずに妊娠しろと避妊しない性行為をされた。
一度ではなく何度も腟内(なか)に精子を吐き出されて生殖行為をしてしまった。
「……妊娠…………してない、よね……」
下腹部に触れ、ボソッと呟く。射精(だ)されたとして、必ずしも妊娠する訳では無い事は分かっている。でも、もし……と考えると震えが止まらない。
もし、初めてで妊娠してしまったら?影山君の子供がお腹に出来てしまったら?
親に言うの?部活のチームメイトの子供を妊娠したから産みたい、と。
言えない、絶対にそんな事、言えない。
親にセックスしてしまった事も、避妊しないで腟内射精(なかだし)した事で子供が出来て妊娠してしまったなんて……。
「してない……妊娠……してない…………私のお腹には誰もいないの……」