第53章 Another:1

　身体の隅から隅まで全てが晒され、それを影山君が見ている。
　筋も開かれてそこにある膣口（あな）も全部、全部。
　ガタガタと震えていた所、膣口（あな）に熱いモノが触れた。
　ソレが何であるかは同じ様に息を荒らげている影山君の姿を見たら、何なのか分からない程、私は無知ではない。
　異様な程に熱を持つ陰茎が膣口（いりぐち）を無理矢理に拡げ、腟内（なか）に挿入（はい）ろうとしてきた。
　腟内（なか）へ入ろうとしている陰茎の感触、行為が始まるまでの時間を考え、悲鳴に近い声が出てしまった。

「いやっ……！それだけは嫌ァ！」
「此処まで来て俺にお預けすんの？」

　余りにも冷たく冷静な影山君の声に私は必死に伝える。

「だっだって……影山君っ……………お願いだから挿入（いれ）るなら避妊、してっ！」
「避妊？あ――――」

　動くのを止め一瞬だけ考えた影山君は繋がり掛けている結合部を見て、舌なめずりしながら、言う。


「無理、悪いけど諦めろ。強姦なんだしっ」


　冷たく残酷な一言が返ってくるのとほぼ同時に、膣口（いりぐち）を無理矢理広げ、腟内（なか）への侵入が始まった。
　熱くて太くて硬い陰茎は容赦無く私の腟内（なか）へと挿入（はい）ってきた。
　痛みはあるのに、自分が出してしまった大漁の下り物が潤滑剤としての役割を持ってしまったらしく、するすると腟内（なか）へ奥へと苦労せずに進んでいる。

（嫌ァ！入らない……こんなに大きいの、私の腟内（なか）に全部……入らない、よっ）

　腰をがっしりと掴み動けなくされ、影山君の腰……下半身がどんどん私の方へと進み、同時に私の事を引き寄せてくる。

（あ…………）

　今、身体の中で何かが裂ける様な感覚がした。その感覚が何なのか考える事が難しい中で、思考を動かす。
　無理矢理拡げられている膣口が痛む中、思い出した。


（私……セックスするの……初めて……）


　痛い、抜いて欲しいと懇願したのだけど、影山君に掴まれる腰の引かれる勢いが増し、強引に引き寄せられた。
　余りの痛みと衝撃に声を上げた。
　その時に再度、何かが破ける様な音が聞こえた気がした。

（もしかして……私の処女膜……）

　私の処女膜、もしかして今影山君によって破かれてしまったのだろうか？