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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第49章 最終話 イノチ


 最後の一滴まで放尿が終わったので、泣いている池ヶ谷を抱き締めて言った。

「結果、すぐに出るからな」





 泣きじゃくる池ヶ谷を抱き締めたまま、部屋のベッドの上に腰掛ける。手に持つそれを黙って見つめながら。
 最近のは早く、結果は僅か一分で出ていた。何度見てもそれにはくっきりと線が出ていて、ゆっくりと池ヶ谷の事を見た。
 池ヶ谷のこの反応を見る限り、この事実に池ヶ谷はもっと前から知っていたのだろう。
 知っていて、必死に隠していたのだろう。

「伊織」

 俺に呼ばれ、ビクッと反応し震えながら顔を上げてきた。
 目尻に口付けながら、持っていたソレを池ヶ谷に見せて俺は尋ねた。


「何時から知ってた?」


 ガタガタと震える池ヶ谷の背中を優しく撫でながら、別に怒っていないのだと態度で伝え、返事を待っていると途切れ途切れに口を開いた。

「……いっしゅ、うかん……まえ、から……」
「一人で調べたのか?」

 俺の言葉に池ヶ谷はボロボロと涙を流す。大丈夫だと伝える様に頭を撫でてやる。俺に撫でられて少し落ち着いたのか、話を続けてくれた。

「……シて、から…………一度もせい、り来なく、て……ずっと気に、してはいたの……八月も生理やっぱり来ないから……調べなきゃって……最近身体もダルい、って思ってたら……微熱……出てて……もしかして、って……」

 無意識なのか意識してなのか、分からないが池ヶ谷は自分のお腹に手を宛てている。本能的に『護っている』様だった。

「何回……調べても……同じ結果で…………それが怖くてっ」
「……だから俺にも言えなかったのか?」

 真っ直ぐ目を見て尋ねると池ヶ谷は正直に答えてくれた。もう知られてしまった以上、隠しても意味が無いのだろう。

「飛雄に知られたら……本当なんだって……勘違いじゃないんだって……まだ駄目だから……認めたくなくて……」

 一人で知ってしまった事実に、池ヶ谷はどれだけ怯えていたのだろうか。最近俺に甘えていたのも、優しい行為を求めていたのも、全て一つに繋がった。
 全ては一つの為。

「……一人で怖い思いさせてごめんな。もっと早く気が付いた時点で調べるべきだった。1週間も待たせてごめん」
「ごめんなさい……飛雄ごめんなさい……黙ってて隠しててごめんなさい」
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