【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第48章 第四十五話 ゼンチョウ
「お母さん?うん、もう部活終わったよ。うん、うん……春高本戦近いから忙しくて……うん、でも今から帰る所だから」
俺と繋がったまま、子宮に精子を流し込まれ全裸でいるとは、とても思えない位に池ヶ谷は冷静に対応していた。
通話が終わったのを確認して、抜き取ってやる。
「ンンっ」
抜き出されたので声を上げた池ヶ谷の散らばる衣類を拾いながら確認する。
「親から電話来たから終わりだな」
「……うん、帰らないと」
残念だな、と思いながら服を全て着せ、トイレを後にした。
池ヶ谷を家の近くまで送った。人が少ないので恋人繋ぎをしながら二人無言で歩き。
行為の余韻で帰り道話さない事は多かった。俺が口下手なのもあったが。
「飛雄」
ここまでだ、と池ヶ谷に呼ばれたので深いキスをして、服の上から乳房、腰、尻と女の身体のラインを確認して今日は終わりだ。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
チュッと触れるだけのキスをして池ヶ谷は一人帰路に着く。また一人になった事で無意識なのか、手は腹を触れている。
その姿を見ながら、俺も帰るかと来た道を引き返した。
池ヶ谷の姿を思い出しながら一人歩いていたが、ある場所の前を通り過ぎかけて足が止まった。
「…………」
そこを見ながら違和感の正体に心当たりが生まれた。
「…………まさか」
心当たりが勘違いではない事を願いながら、俺はそこに寄り道をして用を済ませて帰宅した。
明日、すぐに調べなければと覚悟を決めて。
◆
朝、昨日手に入れた物をじっと眺める。これを使ったらもう後戻りは出来なくなる。
それでも確認せずにはいられず、期待に胸が踊っているのも事実だ。
嗚呼、違和感の正体がこれで納得出来るのだと期待をして、俺は学校へ出掛けた。
夜になるまで調べる事は出来ないが、期待と切望を胸に部活が終わると、すぐに池ヶ谷の元へと向かった。
(2021,3,3 飛原櫻)