【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第47章 第四十四話 ヤサシクアマク
言われたのが嬉しかったのか、膣壁(なか)がギューッと俺を締め付けた。
「…………愛してる、伊織」
ドロリとまた吐き出し、深く深く口付けた。
絡め合った指を離さない様に握りしめながら……。
◆
「伊織」
「飛雄様」
「伊織」
「飛雄様」
ベッドの上で繋がり合う訳でもなく、互いの名を呼び合う。まるで恋人かの様に。
「伊織っ」
「くすぐったいよ、飛雄様っ」
くすぐる様に首筋を触っていたから、池ヶ谷は耐えきれなかったのか逃げる様にくるっと背中を向けた。
優しく後ろから抱き締め、池ヶ谷の手を取ってそのまま腹を撫でてやる。
「飛雄様っ……?」
「今日の伊織、腹触ってるの多かったから俺も」
言うと池ヶ谷は恥ずかしかったのか、耳まで真っ赤にしている。でも俺の手を止めたりはしなかった。
甘い時間をまだ感じていたく、勝手に口が開いていた。
「なぁ、伊織」
「?」
「俺の事……飛雄って呼んでくれないか?」
「……え……でも……」
困惑する池ヶ谷の腹を撫で続けながら、頼む様に言う。
「俺が……そう呼ばれたいんだ」
頼み込む様に消え入りそうな声色で言うと、腹を撫でられている池ヶ谷がゆっくりと振り返る。目が合うと池ヶ谷は身体を動かし向かい合う形になり、そっと俺の頬に触れた。
「…………飛雄」
君でも様でもない呼び捨て。キュンと胸が締め付けられた。
呼び捨てで呼んだだけなのに、池ヶ谷の顔は赤く染まっていて。
「もう一度」
「飛雄」
「もっかい」
「飛雄」
永遠に言わせたくなってしまい、胸の中に抱き締めた。錯覚でも本当に想い合えた気がして、幸福感で心が満たされる。
「……伊織」
「飛雄……」
互いの存在を確かめ合う様に、これ以上ない位に強く強く抱き締めあった。
◆
「今日は何時頃に親帰ってくるんだっけ?」
池ヶ谷を着替えさせながら、尋ねた。脱がせる事も着させる事も池ヶ谷相手ならば、簡単に出来る様になっていた。
慣れた手付きでブラジャーのフックを止め、紐パンの紐を綺麗に結ぶ。
当たり前の行為なので、池ヶ谷もされて当然と言った様子でいる。
どの服が良いかと腰に手を回したまま、物色していると池ヶ谷は言う。
「二人とも今日も遅くなっちゃって、二十二時までには帰るって言ってたよ」