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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第38章 第三十五話 シチャク


「とび……影山君は外で待ってる?居ずらいよ、ね?」

 池ヶ谷の目的地にやっと辿り着いた俺は、その店を目の前にして視線を泳がせていた。池ヶ谷の目的……買い物は下着、だ。遠征中夜にブラジャーをしていなかった理由はあまりにもあっさりとしていたのだ。


 そう、サイズが合わなくなってしまったから、だ。


 前々からなんとなく気になっていたのだが、本格的にブラジャーをしていて胸が苦しくなってしまったらしい。池ヶ谷の胸が成長してサイズが大きくなった、と言う事になる。

「サイズ調べてもらうから時間掛かるし、此処モールで色々なお店あるから周っていてもいいよ?」

 ランジェリーショップの外に立っていたら目立つが、少しでも池ヶ谷から離れたいと思わなかったので首を横に振る。かと言って入れるのか、と言われたら悩んでしまう女性下着店。
 と、思っていた所、店内の奥の方に男女の姿が見えた。一目で恋人同士である事が分かるその姿を見て、そっと池ヶ谷に耳打ちした。

「カップルならば入れるみたいだから、俺も入る。伊織の新しい下着は俺好みに決めようか」

 スッと腰に手を回し、有無言わさずに店内へ入る。今までだったら興味の欠片もなかったし、意識した事も無かった。
 池ヶ谷が身に付けている下着を何着も見てきたが、店内にある下着の量の多さには素直に驚いた。男とは全然違うのだな、と。
 池ヶ谷は諦め着いたのか、少し離れた店員の所に向かい何か話をしていた。それからすぐに近くに合った下着を渡され、試着室へ行くらしく俺の所に戻ってきて言う。

「あ、あのね……取りあえずサイズ確認の試着をするから、外で待っててもらってもいい?」

 恥ずかしそうな上目使いの表情で言われたが、ちらっと周りを見てすぐに言ってやった。

「俺も中に入る」
「……え…………で、でも……」
「こんな所に置いていくのか?」

 俺の一言に池ヶ谷は真っ赤な顔になりながら小声で答えた。

「な、何も……しない?」
「どうだろう……な」

 俺の言葉に不安を感じつつも、下着屋の店内に例え試着室の横に男である俺を、何時までも立たせておくのは気が引けたらしい。
 顔を赤くしつつ、そっと俺の手を引きながら二人で試着室へと入った。
 入る前からなんとなくだけれど広そうな感じがしていたが、中が予想外に広くて驚いた。
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