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【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】

第31章 第二十八話 クチヅケ


 夜の道を二人無言で歩く。しっかりと掴み絡めあった指に力を入れて離れたくない、と主張をする。
 歩きながらに繋ぐ手は改めて小さいと認識をさせ、柔らかく温かくて何をしている訳でもないのに、幸せな気分にさせていた。
 これから学校に向かい、バスに乗って東京遠征。池ヶ谷に触れられない時間がやってくる。
 チラッと横目で確認をすると池ヶ谷は自分の下腹部に手を当てながら、おぼ付きない足取りをしている。
 時々ピクッと反応をして、耳を真っ赤にしながら俺に絡める指に力が入っていた。


「精子、出てるのか?」


 歩くスピードを緩めながら尋ねると、かぁっと頬を紅潮させて俺を見上げている。黙って見つめ返事を待つと小さく頷かれた。

「どんな気分?」
「どんな、って…………恥ずかしい、よ……」

 俯いたまま消え入りそうな声で池ヶ谷は続け言う。

「おヘソの下……まだ膨らんでて……いっぱい入ってるまま皆に会うの怖いよ」

 絶対に知られたくないと怯える池ヶ谷を抱き寄せて、安心させる様に頭を撫でながら告げる。絡める指に自然と力が入ると答える様に指が動く。

「俺の側に居ればいい。バスも俺の隣に座ればいい」
「で、でも…………」
「他の奴なんかに伊織の隣は絶対に座らせねぇ」

 ぎゅっと抱き締めて髪に何度もキスしてやる。池ヶ谷の髪の毛は相変わらず柔らかくて気持ちが良い。
 ちゅっちゅっと瞼や頬にキスをしてやると落ち着いたのかそれとも気持ち良かったのか、池ヶ谷がとろんとした表情をしていた。
 熱の篭った目で俺を見つめてきて誘惑をしてくる。本人に自覚があるかどうかは分からないが、俺にとってこれ程の誘惑は存在しない。

「…………伊織」

 ジジっとジャージのファスナーを下ろし、ぶるんと揺れた乳房を鷲掴みして揉んでやる。すぐにシャツをたくし上げ、ブラジャーから取り出して乳首をじゅるっと啜ってやる。

「……あっ」

 びくっと反応をしつつも俺の行動を池ヶ谷は咎めたりしない。本気で逃げようとすれば逃げられる状況でも絶対に逃げたりしない。


 俺から離れる事は――ない。


 乳首を吸われ、肌を撫で回されるのを池ヶ谷は黙って受け入れている。高潮した顔で俺を見つめている。女の顔をした俺だけの池ヶ谷、が。
 ちゅっと離し、サッと何事も無かったかの様に戻して再び歩き出す。
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