第15章 近親相姦シリーズ 宮兄妹の終焉
私達の行動を否定してへん他人がおるのが、嬉しゅうて涙が出そうになった。
「取り敢えず悪阻で来てるさかい、今日は点滴してから帰りな。母子手帳に関してはこっちで上手う貰える様に手ぇ回しとくさかい」
母子手帳、言われほんまにうちが妊婦になってもうたのやと顔が赤なる。
うち、ツム兄の子供を妊娠してる妊婦なんや、と。
「妹さんの妊娠は出来るだけ隠しといた方が楽やな。両親なんて特に相手誰や、って聞いてくるさかいね。ほんまに出産までするんやったら、中絶出来へんくなる六ヶ月以降まで隠しきる事。普段からダボッとした服装するのと、腹回り締める服は避けて」
点滴の準備をしながら淡々と説明をされて、静かに頷く。
リスクの高い兄妹の子供やさかい、細心の注意を払う事とお店の常連さんや友達にバレへん様にせえへんと。
特にお父さんとお母さんには絶対に秘密。娘が産んだ初孫の父親が息子なんて絶対に知られてはならへん。
禁忌の子供を育てて産むのがうちの願い。
妊娠が分かってからは色々と大変やった。飲食業やさかい絶対に匂いがあって、悪阻に苦しんでもうた。
妊娠の事実を隠す為に、悪阻が落ち着くまでは接客を控え、身体のラインが出ーへん服を着て身体の成長を隠す。
妊娠五ヶ月になると身体が妊婦であるのが分かる様になり、六ヶ月になった頃にはエプロンをしとってもお腹が膨らんでるのが分かってもうた。
七ヶ月になった頃にはサム兄から仕事を休む様に言われて、本格的な妊婦生活へ。
八ヶ月、九ヶ月、と誰がどう見ても妊婦と答える姿になり、両親に妊娠しとった事を知られてもうた。
相手が誰なのか頑なに口を開かんで怒られたけど、ツム兄とサム兄が俺達が稼いでるから、養育費位なら賄える、と最もらしい言い分で黙らしてしもうた。
出産予定日よりも三日遅れになったけど陣痛が来て、うちは辛い出産を耐えきって無事に娘を出産した。
遺伝子は濃いのは当たり前やけど、取り敢えずは遺伝子異常ものうて、病気も無さそうとの事で様子見に。
父親であるツム兄は自分の子供が女の子言う事で、デレデレになっとった。
傍からは姪っ子にデレデレの叔父、なんやけど、ほんまは父親や。
人には言われへんけど、兄妹三人になったら自分の事をおとんおとんと名乗って、ほんまに可愛がってくれとった。
