第15章 近親相姦シリーズ 宮兄妹の終焉
「どれがええのか分からへんから、取り敢えず三種類買うてきた」
そう言うツム兄の手が握ってるのは妊娠検査薬。
それサム兄に手渡しながら、うちの事を抱き起こしてきた。
「どれつこたらええと思う?」
「どれでもええやろう。取り敢えず検査して来てや。その間に俺は産婦人科調べとく」
ちゃっちゃと動く二人になんも言われへんでいると、ツム兄に再び抱き上げられてトイレへと連れて行かれてもうた。
うちを便器に座らせ妊娠検査薬を箱から取り出しながら、ツム兄に尋ねられた。
「生理、遅れてるんか?」
「……五日位」
やっぱうちの生理が遅れてる理由は…………妊娠しとったからなのか、と顔が赤なる。
「一旦検査薬で調べて、それからちゃんと病院で調べてもらうねん」
「……うん…………どっちの子かな」
うちの膀胱を押して無理矢理放尿させたツム兄は、尿がかかる妊娠検査薬をじっと眺めながら言う。
「俺の子かて願わしてもらわんといて」
放尿が終わり、妊娠検査薬をトイレットペーパーで拭きながら、ツム兄に抱きしめられた。
「取り敢えず一人目おめでとうやな。病院行ったら妊娠何周か分かるし、それでどっちの子なのか確定する」
「…………うん」
ギュッとツム兄に抱きついてると、サム兄がやってきて言う。
「結果どうだ?」
「陽性。病院は?」
「口の固い所見付けた。そこに電話済みで今から診てもらえる事になった」
二人の話を聞きながらこっそりツム兄が持ってる妊娠検査薬を見ると、妊娠してる陽性反応の線が濃うくっきりと浮かんどった。
やっと、妊娠出来た。
(良かった……不妊やったらどないしよか思うとった)
兄の子言う本来妊娠したらあかん子供を妊娠してもうた言うのに、うちは無事に妊娠出来た事に喜んでもうていた。
でもまだ病院に行ってへんさかい、ほんまに妊娠してるとは言われへん。
それに、今お腹の中におるかもわからへん子供は血ぃ濃すぎる子供。普通の男女の交わりで生まれた命ちゃう。
産み出すその瞬間まで油断は出来へん。
「店出て少し行った目立たへん所にタクシー呼んだし、お得意さんやらに見られへん様に産婦人科行くねん」
サム兄の声を聞きながら、ツム兄の腕の中に抱きしめられてうちは産婦人科へと連れていかれてもうた。