第3章 影山飛雄夢 チョコレートにはご用心
え、となりながら視線を自分と影山に移すと当たり前だけど、二人とも全裸だった。
そして、それと一緒に秘部に異物感があり、身体の中に挿入(はい)っているのに気が付いてしまう。
「ちょっと……待っ……」
抜こうにも影山は寝ているし、その影山の重さの所為で動く事が出来ない。
少し動こうとしてみたけれど、一ミリも抜けないのを理解し、動くだけ無駄だと止めた。
この状況から、影山とセックスしたのは間違いない。
腟内にある影山を感じながら、状況整理をして、結論からしてあのチョコレートが怪しいと辿り着く。
アレはただの海外製のチョコレートではなく、何かが入っているチョコレートなのでは?
そう、例えるならばブランデー等のアルコール入りの。
(アレ、お酒入りチョコだったんじゃ……)
そう考えれば二人しておかしい行動に至ったのも納得出来る。
でも、だからと言ってまさかセックスをしてしまった等、思いたくないけど、まだ繋がったままなのでセックスは継続中である。
と、言うよりも現在進行形でしているのだ。
「やだ……初めて、だったのに……」
処女だったのに、影山に奪われてしまった。しかもチョコレートに入っていたお酒に酔ってしまって、だ。
こんな処女喪失なんて、恥ずかし過ぎるし情けない。
付き合っている訳でもなく、恋人じゃないのにセックスしたとか、これではセフレではないか。
「好き……だけど順番が…………」
告白する前に致してしまい、身体が先に男女の関係になってしまった。
それに記憶が間違っていなければ、コンドームはしていないし、中出しもされた気がする。
「やだ……妊娠したらどうしよ……」
状況を理解すればする程、顔が熱くなっていく。
お酒に酔って子供が出来てしまった等、親になんて説明すればいいのか分からない。
いや、まだしてしまっただけであり、妊娠は確定事項ではないが。
思わぬ形で意中の相手と致してしまい、もうどうしたらいいのか分からなくて、恥ずかしくて影山に抱きついてまった。
落ち着かないと、と思っていた所でモゾ、と影山が動いた。
「…………ん」
ゆっくりと起きた影山と目が合った。
裸で性器が繋がったままの状態である事を理解すると、何故か影山が腰を動かし出した。
「ちょっ……何でうごっ……アッやっ!」
