第14章 近親相姦シリーズ 菅原孝支の場合
それでもなく妹であり、私は不利な存在なのだから。
「もっと胸大きかったら良かったのになぁ……」
自分の胸を掴みながら溜息を漏らすと、ガチャリと脱衣所のドアが開く音がした。
まだ私がいると言うのに入ってくるなんてお母さんなのだろう、と振り返る。
けれど、そこに居たのは兄。
部活帰りで疲れていたのだろう。
廊下の方を見ながら入って来ていて、私がいる事に気が付いていなかったらしい。
ガチャ、とドアを閉めて振り返って初めて私がいた事に気付いた様だった。
「わっ……ごっごめっ……」
慌てて顔を逸らした兄の姿を見て、そう言えば今の私はパンツだけの姿でいる事を思い出した。
上半身裸で胸丸出しの姿……。
「っっっ !! 」
兄に胸を見られたと慌ててタオルを取ろうとして、勢い余ってバスマットに乗る足に力が入ってしまった。
「きゃっ!」
ズルり、と足を滑らせバランスを崩す。そのまま前に倒れそうになったら、私の声に気が付いてくれたらしい兄が助けようとしてくれた。
が、タイミングが合わず、兄の上に倒れ込む形で転倒してしまい、一緒に倒れ込んだ。
兄の上に倒れた為に痛みはそんなに無かった。けれど胸を掴まれているかの様な感覚が襲ってきた。
そぉっと目を開くと、私の胸は兄の手の中にすっぽりと収まっていて……揉まれていた。
全身の血液が胸元に集まっていき、胸が熱くなる。下敷きになる形で転んだ兄は、自分の手が何を掴んでいるのか分かっていない。
もみっ、もみっと数回揉まれ、恥ずかしさと同時に気持ち良さを感じてしまい口から勝手に声が出てしまった。
「アッ……やんっ……」
私の声と感触、そして視線で兄は自分が何をしてしまったのかを理解した様だ。
耳まで赤くして揉む手を離し、肩を掴んで慌てて私を引き剥がして起き上がる。
「ごっごめん!部活で疲れててっ…… !! 」
私の事を見ないように横を見ながら説明してきた姿に、ドキドキしながら名前を呼んでみた。
「…………孝支」
「っ !! 」
名前を呼ばれた兄はビクンと反応してから、横目で私の事を見てきた。
目が合ったかと思えば、すぐに視線が下へと落ちていった。
孝支が私の胸を見ている。