第11章 近親相姦シリーズ 赤葦京治の場合
腟内(からだ)の中で脈打つ熱い感覚を感じるのはこれで五回目だった。
(熱い……お兄ちゃんドクドクしてる……)
射精している時に感じる陰茎の感覚を、完全に身体が覚えてしまった。
兄妹だって男と女なのだから、こんな事を繰り返していたら何時か本当に妊娠をしてしまう。
それを頭の良い京治が分からない訳がない。それなのに、何故こんな事を続けているのかが、妹には分からない。
京治は頭は良いし、スポーツも出来るし、兄妹贔屓があるとは言え、容姿も良い。
恋人に困る様なタイプではない筈なのに、セックスをする相手に選んだのがまさかの妹であり、理解が出来ない。
「……ふぅ」
射精が終わったらしい京治の声がするのと同時に、腟内から陰茎が抜き出た。
「ぁん……」
腟内(なか)から出るこの感覚はどうしても慣れなくて、つい声が出てしまう。
抜いたと言う事は今日のセックスはこれで終わりになる。
拘束されていた手を解放され、起き上がる妹の事を京治は優しく抱きしめた。
妹の存在を確かめるかの様に、身体を触り匂いを嗅ぐ。
そして膣口に指を滑らせ、己が吐き出した精液が流れ出ているのをうっとりとした表情で眺めていた。
「おにい……」
口を開き掛けた妹の口を口で塞ぎ、舌を絡め合うディープキスをする。
逃げ惑う妹の舌を味わい口を離すと、そっと耳元で囁き伝えた。
「次は金曜日だから」
その言葉にぴくんと反応した妹にもう一度キスをして、京治は自室へと戻っていった。
◆
兄は誰よりも格好良い。それは気が付いた時にはそう思う様になっていた。
あんなに格好良い兄なのだから、その内彼女が出来て紹介されるのだろう、と思っていた。
が、兄が彼女だと紹介したり連れて来る人は誰もいなく、常に自分優先であった。
大好きな兄で周りからブラコン言われても気にならない位に好きだった。けれど、それはあくまでも『兄』であり、『異性』としてではない。
だって、それは血を分けた兄妹だからであった。
それなのに、ある日を境に兄とセックスをする仲になってしまった。それも、避妊をしてくれない仲。
血が濃い兄妹で子供が出来てしまったら、と怯える理性と、段々知っていく『男』である兄の姿に緩やかに思考がおかしくなってしまっていた。
そして、遂に知ってしまった自分達家族の真実。
