第11章 近親相姦シリーズ 赤葦京治の場合
母親は間違い無く同じである。でも、父親が違う。
それはつまり、確かに兄妹であるのだけれど、違う血が流れている事になる。
違う、父親の血が流れる、兄妹。
その事実は、おかしくなりかけていた思考を完全に壊してしまうには、十分過ぎるのだった。
◆
今日は週に二回のセックスの日。
当たり前となりルーティンになりつつある行為。
京治はさも当然の様に妹の部屋へと入る。
確実に少女から女へと変化していくその存在が愛おしい。
が、その存在の様子がおかしい。
京治を見上げてくるその表情に『妹』は何処にもいなく、いるのは『女』だけだった。
そんな姿を見て、京治は本能で妹もまた自分達の血が半分繋がっていない事を知ったのだと悟った。
同じ母のお腹から生まれた、父の違う兄妹だと。
「…………京治」
初めて妹から名前を呼ばれた。お兄ちゃん、ではなく京治、と呼んだ以上、妹もまた京治の事をもう兄として見る事が出来なくなってしまったのだと。
「……何?」
ギシ、とベッドに乗り上げながら妹の頬を撫でると、か細い声で尋ねられた。
「……何時から、知ってたの?」
「……俺は最初から、全部」
優しく妹をベッドへと押し倒しながら言うと、妹は小さく呟いた。
「そう……だったんだ」
「俺達は半分兄妹で……半分他人だ」
下着を剥ぎ取り、膣口に陰茎を宛てがうと、そこは既に弄られた後の様に濡れてしまっていた。
「あぁっ……!」
挿入(いれ)られる事に抵抗なく、女の声で喘ぎながら妹は京治の事を迎え入れてしまった。
「あっ……やっ……けい、じっ……」
「……セックス……気持ちイイな」
「ふぁっ……あアッ!」
激しく動かれ結合部を粟立て、犯されているのだが、拘束は一切されていないのに、妹に逃げる様子は見られなかった。
妹はもう抵抗する事が無いと確信を持った京治は、この日を境に本当の意味でのセックスを妹とする様になるのだった。
(2021,9,4 飛原櫻)