第9章 近親相姦シリーズ 黒尾鉄朗の場合
己の胸元にしがみついて快感を落ち着かせようとしている妹の頭を撫でていると、ポカポカと叩かれてしまった。
「お兄ちゃんのえっち!パンツもう履けないじゃん !! 」
濡れている下着を履く程不快感はない。かと言って此処は学校であり、替えの下着などない。
スルスルと濡れたパンツを脱がせて、鉄朗は言った。
「後一限、ノーパンで過ごすしかないな」
「……恥ずかしいよ」
「照れてるお前、本当に可愛くてお兄ちゃん挿入(いれ)たくなっちゃうだろ」
「……学校でセックスしちゃ駄目」
兄に対して言う言葉ではないと常々理解している。が、妹に兄を男として見る様に調教したのは、紛れもない鉄朗自身だ。
「……家に帰ったらぐちゃぐちゃになるまで可愛がってやるからな」
◆
ノーパンで午後の一限を何とか過ごし、足早に帰ろうと廊下を慎重に歩いていく。
スカートの丈を長めにしているので、見えないのだけれどスカートの中がスースーとしていて落ち着かなかった。
「あれ?今日はバレー部に顔出さないの?」
下駄箱に向かっていた所、聞きなれた声にビクッと立ち止まった。
見慣れた金髪のプリン頭。やる気の無さそうなトーンの声色。お隣さんで幼馴染である孤爪研磨がそこにいた。
「あ、研磨……」
「?……どうかした?」
長い付き合いである幼馴染の研磨は勘が鋭いのか、小さな変化を見逃さないのか、すぐに気が付いてくる。
兄と男女の関係になった時も暫くの間、変に声を掛けられていて誤魔化すのに苦労したモノだ。
「ううん、何もないよ。今日はちょっと私出掛けたいから帰るんだ。研磨はこれから部活行くよね?山本先輩によろしく伝えておいてね」
「そっか……分かった、虎に伝えておく」
いつも通りのたわい無い雑談。そんな感じで話していたら、後ろからドン、と重みを感じて顔を上げた。
そこに居るのは鉄朗だった。
「お兄ちゃん」
「よーお疲れさん。研磨、お前まさか今日の部活サボろうとしてた所か?」
ケラケラと笑いながら言う鉄朗に、研磨は溜息を付いてから答えた。
「サボらないよ。なんか今日は帰るみたいな姿見かけたから声を掛けてただけ」
「おーおー、ウチの妹ちゃんは可愛いお年頃だかなぁ。研磨にはとても言えない様な買い物があるんだよ」
「お兄ちゃん!変な事、研磨に言わないでよ !! 」
