第6章 初めてのでぇと(前編)
「音柱様、今日は何か用事があるのでしょうか?」
「まぁ、少しな。って言うか、それ、やめようぜ。」
繋いでいない方の手で指を差され、ひなたは目を白黒させる。
「それとは、、、?」
「音柱様、ってやつ。任務の時は仕方ないかも知れねぇが、家でも呼ばれるのはちょっとな。派手に呼んでみろ。」
「えっと、では、宇髄様。」
「ハズレ。もう一回。」
ハズレ、と言われて、ひなたは考える。
目の前の彼は宇髄で間違いない。と言うことは、、、
「あの、、、天元様?」
ひなたがそう呼ぶと、
「当たり。ちゃんと呼べるじゃねぇか。」
と宇髄は嬉しそうに笑った。