第6章 初めてのでぇと(前編)
「ここですか?」
宇髄は大きな呉服屋の前で立ち止まる。
「あぁ、ひなたも入れ。」
手を引かれ、ひなたは店に足を踏み入れた。
「まぁ、宇髄様。何かご入用で?」
顔見知りなのだろう。女将が宇髄に声をかけた。
「あぁ、ご入用だ。」
宇髄はニッと笑うと、ひなたの背中を押し、女将の前に立たせた。
「こいつに着物を。上等なのを頼むぜ。」
「まぁまぁ、可愛らしいお嬢さんですこと。」
「だろ?派手に頼むぜ。あと、化粧もな。」
「えっ?あの?天元様?あの、、、」
宇髄は、困ったように宇髄と女将の顔を交互に見ているひなたの背を押した。
「派手に可愛くなってこい。」
そのままひなたは女将に店の奥へと連れて行かれる。