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【進撃の巨人・ジャン生誕を祝って】桜舞い散る中で

第1章 祝い


かわいい瓶のわりに大人の味がするシャンパンはほどよくアルコールを含んでいる。


一口飲んだだけで体中に染みわたった。

「うまいな‥‥」
ジャンは最近生やした薄いあご髭を触りながら呟いた。


「喜んでくれてよかった。」


ジャンとシャンパンを嗜みながらオムライスと軽食を食べた。

ジャンはシャンパンにも喜んでいたがオムライスの方がどこか嬉しそうに口に運んでいる。



少年のようにオムライスを食べる姿は母性本能をくすぐられる。


かわいい。
フィンは気が付くとジャンの頭に手を置いてぽんぽんと撫でいた。

ジャンの持っていたスプーンが落ちる。

「あッ!!ごめん!!」
あわててフィンは手を引っ込めた。

「なんだよ。俺はガキじゃねぇんだよ。」
と横目にむくれるジャン。

その顔もまた可愛くて手を伸ばしそうになる。


「ごめん、桜ついてたよ」
苦し紛れにフィンは言い訳する。



熱の籠った指先を隠す。


あっ。
ケーキ。

バスケットの中にはろうそくが入っている。


19本。

ちゃんと入っている。


小さなケーキに19本も刺したら火事になりそうだ。

「ねぇジャン、何本火つける??」

フィンはジャンにろうそくを見せる。


「あぁ?ガキじゃねぇからそんなのいらねぇよ。」

ジャンが頭をかきながら呟く。

「えぇ…‥せっかく用意したのに‥‥」

フィンはしゅんと肩を落とし残念がる。


はぁと小さくジャンは笑いながらため息を吐く。

「そうだよな‥‥。じゃぁ‥…」

ジャンの細い指先が1本のろうそくを手に取りケーキに立てた。


「1本でいいの?」
フィンはジャンに笑いかける。

「あぁ。いい。一本で。」

ジャンがフィンにため息交じりにつぶやいた。

なんだか哀しそうに言った気がした。



フィンは気を取り直してマッチで1本のろうそくに火をともす。


「ジャン、願い事して」


ジャンは照れ臭そうにニコッと笑いかけて
「‥‥‥ふっ」
ジャンの吐息のろうそくは消え淡い煙を立てた。



ジャンのお願い事が気になったけど、願い事は聞いたら叶わないというジンクスがフィンの頭をよぎる。


フィンは小さなケーキをジャンに渡す。



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