第2章 雨が降るとカゼが吹く
しかし、予想よりも雨が降るのが早く量も多かった。
「あっ…! 」
と思ったら既に体のあちこちが痛い。
濡れた土に足を滑らせ軽めの丘から転げ落ちた。
オマケに水溜まりに全身を濡らした。
今日はついてない。そう思って仕方なく立ち上がる。
ズキンと足首に衝撃が走った。
足を滑らせた時に捻ったのか、左足首が赤く腫れている。
今いる位置から普通に歩けばキャンプ場はさほど遠くない。しかし、この足を引きづっていくと少し時間がかかる。
まぁ仕方ないかと思って、ひょこひょこと歩き出した。
雨は弱まるどころか、強くなっていく。
それに加え、魔物たちがウロウロするようになってきた。
上手い具合に、魔物たちの視界から外れるように歩いていく。
「ぐぁぁぁ!」
雄叫びが聞こえ驚いたので振り返った。
ごうけつぐまがこちらに向かって走ってきている。
あ、これ終わった…。
走っても追いつかれるかもしれない速さに今の足でどう逃げろと?
ごうけつぐまは素早く私の方へ走ってくる。
ほんとに終わった…。
恐怖もあり覚悟して、目をぎゅっと閉じた。