• テキストサイズ

DQ11騎士道貫く旅芸人

第2章 雨が降るとカゼが吹く


しかし、やられたのはごうけつぐまだった。
ばたりと音がしてから、剣をしまう鉄のスレる音がした。

チラッと目を開けると見たことある背中が雨に打たれ立っていた。

「ちゃん?大丈夫?」

「シルビアさん?なんでここに?」

ぽかんと間の抜けるような声が出る。

「なんでも何も、なかなか帰ってこないから探しに来たのよ。
良かったわ、間に合って…。」

心の底からホッとしたため息をつく。
すぐに温かい優しい表情で私を見つめた。

「さ?風邪をひく前に帰りましょう?みんなも待ってるわ?」

シルビアさんに言われ1歩足を出そうとしたがズキンとまた左足首に衝撃が走った。

「い……!」

「どうしたの?」

シルビアさんは痛そうに押さえる私を見て、しゃがんだ。
靴からチラリと赤くなっている足首を見る。

「これ、どうかしたの?」

「足を滑らせた時に捻ったみたいで…。」

「そう…。」

シルビアさんはひょいっと私を持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこ。

状況が分からず私は「え?」と声を上げキョロキョロする。

「じっとしてて…」

シルビアさんは優しく微笑んだ。
この人の笑顔はなんでこう優しいのだろう?
ってそんなこと考えてる場合じゃなかった!
/ 15ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp