第2章 雨が降るとカゼが吹く
汗がダラダラと溢れそれに濡れた衣服が張り付き気持ち悪さを感じて、完全に目が覚めた。
ガバッと起き上がり傍にあるテーブルの上にある水を、食べるようにがぶがぶと飲んだ。
辺りは既に真っ暗で自分がどれくらい寝ていたのか分からない。
ふと、シルビアさんがいないことに気がついた。
「あれ?シルビアさん?」
ロウソクの光で部屋を照らすランプがあるがその薄暗さはきっと、私が寝れるように暗めにしているものだと思う。
シルビアさんはとても気が利く人だからなんとなくそう思う。
そういえば、頭にあるタオルが冷たい。
となると、シルビアさんはついさっきまでいた可能性がある。
どこに行ったのだろうと考えていたら、ガチャりとドアが開いた。
「あら?ちゃん、起きたのね?」
シルビアさんは何やら畳まれた衣服を持って入ってきた。
「あ、はい…ところでそれは?」
「ん?あぁ、あなたの替えの服よ。
汗が凄かったから気持ち悪いかなと思って。」
シルビアさんはやさしく笑った。
薄暗い部屋でもその笑顔が優しいと思ったのは、声のかけ方もあるのかもと思う。
「ありがとうございます。」
「体調はどう?眠れた?」
そういえば寝る前のだるさは幾分、楽になっている気がする。