第1章 花を摘む?花を育てる?
そんな私をシルビアさんはぽかんと見ていた。
しばらくしてからシルビアさんは優しく笑った。
「ごめんなさい、あなたの気持ちを考えてなかったわ…。
アタシはあなたが男の人であろうが女の人であろうが関係ないと思っていたの。
それはあなたのことを性別で好きになったんじゃなくて、あなた自身のことがすきなのよ。」
シルビアさんの言葉に私はどことなくほっとした。
それと同時にとても嬉しくなった。
私はシルビアさんから視線を逸らし、カップを見つめる。
「それとも…アタシに好かれるのは嫌だったかしら?」
私は顔をガバッと上げた。
シルビアさんは憂いた切なそうな瞳で私を見つめる。
そんなことない!
むしろ、両想いになれたのは奇跡だと思ったくらい嬉しかった。シルビアさんに告白されて嬉しすぎて涙が溢れたくらいだったし。
「そんなこと…あ、あるわけないじゃないですか。
私はシルビアさんのことを諦めようとして苦しんでたぐらいだし…。」
「そう?」
私は首を縦に振る。
シルビアさんは男性が好き。
そう思って諦めようとした恋だ。