第2章 雨が降るとカゼが吹く
体に妙な火照りを感じてはため息が漏れる。
体がしんどい。
この一言に尽きる。
「シルビアさんは用事とかないんですか?
ずっと私につきっきりって…?」
シルビアさんは顎に手を当て、どことも言えない空中を見てそうね〜と呟いた。
「アタシに用事があったとしても大したことないわ。
それよりちゃんの方が心配ですもの。」
「そうですか…」
なんて言うかこの人は過保護だなぁと思ってしまう。
そもそも、私が風邪なんかひかなければ問題なかったわけで?
そんなことを考えると自分の軽率さにため息が出てしまう。
「1人になりたかった?」
心配そうにシルビアさんは私の顔を覗き込んだ。
そういう訳では無い。
むしろ居てくれる方が私は嬉しい。
けどそれと同時に罪悪感というものが芽生える。
窓の外は昨日の天気とうって変わって、今は眩しいくらいに太陽がさんさんとしている。
こういう時こそシルビアさんには羽を伸ばしてもらいたいわけで…。
でもシルビアさんは私が心配だからとここにいてくれた。
「とにかく、今はアタシの心配よりちゃんの体調回復が優先よ?」
私は拗ねた子供のように口を尖らせた。