第2章 雨が降るとカゼが吹く
私は下ろしてくださいと懇願した。
こうも密着していると心臓がおかしくなる。
「自分で歩けます!だから!」
「あら?でもそれだと時間がかかるわ?
雨もまだ降ってるし体冷やすと大変よ?」
正論を言われうぐっと喉に声が詰まった。
大人しくシルビアさんに抱かれ、10分程でキャンプ地に戻った。
みんな既に戻っていて、私だけが戻ってなかったらしい。
シルビアさんに下ろしてもらうとみんなが私のところに来てくれた。
「ご無事で何よりです。
先程、魔物の雄叫びが聞こえたので何かあったのかと」
セーニャさんが、ほっとした表情をしている。
「ご心配かけてごめんなさい。
シルビアさんのおかげで助かりました。」
「うむ、無事で何よりじゃ。」
ロウさんも、にこにことしてくれる。
ほんとにみんなに心配かけて申し訳ない…。
その12時間後
現在に至る。