第2章 プロローグ
「さ、早く食べないと冷めちま…うことはないな」
『え……?』
「あれ、人間って魔法使えないのか?使えても少ないの?」
『ううん…一般的だけど、魔族の人も使えるんだなって』
「魔族は人間に比べて魔力は多いしな、まぁ人間でも魔力多いのはいるけど」
『え、魔力の量が分かるの?』
「分かる奴はって感じかな、魔法の1つなんだ…ってそんなことは置いておいて、ほらどうぞ」
言われたままソファーに座り、机に並べられた食事を見る
『ふぁ……美味しそう…!』
「野菜と鹿肉のスープ、チーズを乗せて焼いたバゲットとトマトのサラダだ」
『ん~、美味しい……!チーズとろとろだぁ…』
「バゲットに黒胡椒をかけると味が変わって美味しいぞ」
『………っ!!ホントだ!』
鹿肉のホロホロとした食感も野菜の甘さも全部美味しい、サラダもバゲットも食べたことないくらい美味しくて、思わず頬が緩み笑顔を浮かべる
「……美味いか?」
『うん…!こんなに美味しいご飯を用意してもらったのは、初めてだから。凄く嬉しい…』
「そうか、気に入ったようで良かった。これからはずっとユリウスのために用意される」
『………僕の、ために?』
「あぁ、これはユリウスが受けて当然の待遇だからな。魔王様、結構強引なとこあるからさ」
『はぁ……そうなんだ』
「あぁ、今回のでどこかしら傷になってても可笑しくないと思ってたけど。大丈夫そうで良かった」
『………怖かったけど、いいかなって。ここに来るのは仕方なかったし、兄様が無事ならそれで』
「ふーん、お兄さんいるんだ。どんな人?」
『優しくって賢くて、剣術も体術もできて透き通った金髪で綺麗なグリーンの瞳で……僕をずっと守ってくれる大好きな人』
「へぇ、お兄さんのこと大好きなんだ。あれ?でもお兄さん、ここに来てないよな?」
リザさんにそう言われ、思わず頬が引きつり喉が絞まる
『兄様は、危ないからって止められて……僕が行けって。兄様は一緒に来るって言ってくれたけど……』
「ふーん、ユリウスもお兄さんが来るのは駄目って言っちゃったんだ」
『だって……怪我したり、何か危ないことが起きたらって。兄様にそんな風になってほしくなくて…』
「そう?俺からしたら大事な弟だけで魔王討伐に向かわせる方が心配で死にたくなるけど」