第2章 プロローグ
『………自由なんて、いらない。どうせ…』
どうせ無くなるんだ、自由なんてのほほんと生きている奴等が勝手に考えた空想のものなんだ。そんな考えが頭がぐるぐると周り、顔をしかめると魔王は僕を見て口を開いた
「何か、やりたいことはないのか。ここは色々揃っている」
『………別に、放っておいてくれ』
「………食事を運ばせよう、好きに見て回るといいが俺の部下は数人しか人間の言葉を理解できん」
『それでもいい、出る気なんてないから』
「そうか……邪魔したな、失礼する」
魔王はさっきと同じようにゆったりとした足取りで扉を開け、部屋から出ていった。それを確認した僕は部屋を探索することにした
『………本棚だ』
壁に面した大きな本棚が二つ並んでいるのが目に入る、と言っても中には本は入ってないのだが。他にもクローゼットや浴室、机にふかふかのソファーや椅子など生活に必要なものが揃っている
『……一人用の大きさじゃないだろう』
そう、全部がでかいのだ。ベッドもソファーも浴室も、備え付けのキッチンだって。二、三人で住めるくらい大きいのだ。窓を開けてそんなことを考えていると扉がノックされた
『……はい?』
「おぉ、本当に部屋ができてる。失礼します、朝食をお持ちしました……入っても?」
そう言って部屋に入ってきたのは、リスのような大きな尻尾と可愛らしい耳がついた人?だった
『ど、どうぞ……!』
「食欲はありますか?簡単なもので申し訳ないですが」
『いえ……用意してくれるだけ、嬉しいです』
リスさんは机に食事の乗ったトレーを置き、準備をしてくれる
『ありがとう、ございます……』
「いえ、新しい仲間ですから。あ、魔王様から話は聞いています。勇者の血族の御方だと」
『は、はいっ。ユリウス・アーガノイストと言います』
「そんな堅くならないで、オレはリザ、厨房で料理長をしています」
『リザ、さんも僕なんかに敬語なんて…』
「はは、ありがとう。実は苦手で、でもなんかって言うのは頂けないな」
『えっ…ご、ごめんなさい』
「謝らなくていいよ、これはユリウスが受けて当然の待遇だからな。取引って言っても魔王様がしたのは誘拐紛いのことだし」
リザさんは可愛らしい笑顔でクツクツと笑って、暖かい紅茶をカップに注いだ