第2章 プロローグ
『…………ぇ?』
目が覚めると何故かふかふかの天蓋付きのベッドで寝ていた。
辺りを見回すと、床にはふかふかのいかにも高そうな絨毯が敷かれ天井には大きなシャンデリア……なんだこれ
「失礼するぞ…起きていたか、どうだ?良く眠れたか?」
気がつくと扉の前に魔王が立っていた、気づかなかった…
『こ、これ……ど、どういうことだ!!』
そう叫ぶと魔王は辺りを一瞥して、昨日と同じように首をかしげた
「どうも何も、部屋だが?」
『ち、ちがっ…!僕の部屋じゃないだろ!』
「?いや、お前の部屋だが」
『なっ……?!僕は小さい部屋で十分って……』
魔王はゆったりとした足取りでベッドまで近付いてくると、僕の額を小突いた
『い"っ………!』
「何故小さい部屋を望んだ、俺は何も条件をつけなかった」
その問いに言葉がつまった、何でそんなことを聞くのだろうか
『……それが、僕の価値だから。本当は住む場所があって、生きているだけで贅沢なんだ』
「………俺は、そうは思わんぞ」
『……そう』
「稚子は愛されて当然と言っただろう、この国では個人に価値などない。皆生きているだけで尊いのだ、誰よりもな」
その言葉に思わず目を見開いた、魔族なのに、魔族なのにそんなことを考えるのか。そう思った
「魔族であろうが人間であろうが同じだ、忘れるでないぞ」
『ふふっ…………はぁ』
思わず笑ってしまう、こんなこと兄様のようなことを言ってくれる人がいるなんて。うつむきながら肩を震わせると、魔王は不思議そうにしていた。目線だけ魔王に向け、顔を見る
『………それだけで、救われる。ありがとう』
魔王の顔があからさまに歪んだ、綺麗な顔が一気に険しくなった。見ものだった
「稚子………いや、ユリウス。死ぬ気か?」
『兄様が亡くなるまでは死ねない、でも楽になれるならそうしたい。疲れた、剣を振るうのも。たくさん怒られるのも。でも兄様がいたから、ここまで来た』
「そうか、では条件を追加しよう。ここに住む間何も考えなくて良い」
『条件は、追加しないはずだった』
「ふふ、俺は魔族だからな。それに昨日の話の延長だ、自由に過ごせという話の詳細に過ぎん」
してやったり顔の魔王は、異様に綺麗な顔で微笑んだ