第91章 失踪ルート #01 エレンの目的
ジークは始祖の巨人の力を使ってエルディア人の生殖機能を無くし、今後子孫を残させない様にする『安楽死計画』を行おうとしているとエレンは言う。
徐々にエルディア人はこの世界からいなくなる、ジークはそれを望んでいるのだ。
自分達エルディア人は、この世界にいるべきではない、と。
「安楽死計画はエルディア人がいなくなる間、島を守るためにヒストリアの犠牲が必ず必要になります。それに…そんな計画、仲間達が幸せになれない」
「エレン……」
“オレは仲間が大事です”
あぁ、やはりエレンは変わっていない。
今でも仲間の事を一番に思っている。
「そんなの自由じゃない……」
「でもここに来たって事はジークのその計画に乗るという事じゃないの?」
「いえ、オレはジークの計画に乗るフリをするだけです。時が来たらジークと接触し、始祖の巨人の力を掌握する」
そして地鳴らしを起こし、人類の8割を殺し世界の敵になる。
リリアは先程の疑問を再びエレンに問うた。
「どうして……そんなに人を殺す必要がある?8割ってそんな…」
「オレが世界の敵になり、アルミン達に殺させます。そうすればアイツらは世界を救った英雄になる。パラディ島の人間が世界を救うんです。少しでも世界からの憎しみを消せるように…」
リリアの目から涙が溢れる。
自分を親友に殺させる?
彼らの未来を守る為に………
もう世界から憎まれない為に……
そんな未来を
エレンは見たというのか
どれだけ今までつらかっただろう、苦しんだだろう