第93章 失踪ルート#03 落胆
「別れた?エレンから離れたってのか?」
「そのようです…」
「じゃあ今リリアはどこにいる!!!」
「ひぃっ!!」
リヴァイがオニャンコポンの服を掴み上げた。
あまりの気迫にオニャンコポンが怯む。
「リヴァイ!落ち着いて」
ハンジが止めると、悪い、とリヴァイはオニャンコポンから手を離した。
ミカサ、ジャン、コニーとサシャが顔を見合わせる。
それならばエレンも一体どこへ向かったのか。
情報が手に入ったかと思えば、結局はふりだし。二人の行方は分からないままだ。
しかも二人が離れ離れという最悪の事態だ。
「とにかく今日も捜索してみよう」
はい、と皆が部屋から出る中、リヴァイだけが頭を下げたまま動けていない。
心配そうにハンジはリヴァイの肩に手を掛け顔を覗き込んだ。
「リヴァイ……なんて顔してるのさ」
「ハンジ……リリアは……どこにいる……今、一人でどこにいる…」
「………リヴァイ」
「アイツがいなくなったら……俺は…」
エルヴィンがいなくなってからリヴァイの心に開いた穴を埋めていたのはリリアの存在だ。
リリアを守る事はエルヴィンからの最後の願いでもあった。
リヴァイ自身、リリアとこの先共に生きていこうと決心していた事だろう。
エレンと離れた事でリリアが無事な確率がかなり下がってしまった。
「リヴァイ……」
大丈夫だよ、とは簡単に言えない。
しかしこの落胆したリヴァイの姿はあまりにも痛々しすぎる。
ハンジはリヴァイの肩を叩きながら窓の外を見つめた。
リリア…どこにいるの
このままじゃあリヴァイが以前の君のようになってしまうよ