第89章 #89 新たな命
アルミン達を見送った後、リヴァイ達は旅行へ行こうとガビやファルコ、オニャンコポンを連れ今ここにいたのだ。
するとガビが前方を指差した。
「兵長!ほら、抱っこせがんでるよ!」
オニャンコポンよりももっと先、長く美しい金髪の女性と、その女性の子供だろうか、金の髪の小さな子供が抱っこを要求している。
それを見たリヴァイが口を開いた。
「エルヴィン、母ちゃんは今腹がでけぇから抱っこは我慢だって言ったろうが」
エルヴィンと呼ばれた子供が泣きそうな顔で振り向いた。
「眠くなったんだろ、来い。父ちゃんが抱っこしてやる」
行っておいで、とその女性、リリアがエルヴィンをポンっと押した。
エルヴィンは両手を伸ばしてリヴァイの元にトコトコと走り、リヴァイの膝によじ登ると体にギュッと抱き付いた。
後ろからガビとファルコがそれを見て笑う。
「それにしてもエルヴィン、こんなに天使みたいに可愛いのに、兵長とリリアさんの事『父ちゃん』『母ちゃん』呼びなの笑えるんだけど」
「コニーとジャンのヤツらが覚えさせやがって……」
「パパ、ママって呼びそうなのに…このギャップが最高」
するとリリアがガビを呼んだ。
はぁい、と返事をしガビは走ってリリアの元へと走っていく。
それをリヴァイとファルコ、オニャンコポンが見送った。
「リリアさん、来月ですよね?出産」
「あぁ」
「もう名前決めたんです?」
オニャンコポンがそう言うと、リヴァイは黙った。