• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第89章 #89 新たな命



「兵長?」
「…オニャンコポンには言わねぇ。泣くから」
「えぇ??!」

確かに、とファルコが頷く。
どうやらオニャンコポンにだけ、次の子供の名前を教えてもらえてないようだ。

「そんなぁ!?俺だけ除け者?酷いですよ…」
「泣くからよ」
「泣かないですよ!俺をいくつだと思ってるんですか!」

リヴァイは自分にしがみ付いて眠ってしまったエルヴィンの頭を撫でた。
暫く間を空けて口を開く。


「ハンジだ。次の子供の名前はハンジ」
「え…?」
「ハンジは死ぬ前リリアに、生まれ変わったら俺とリリアの子供に生まれ変わりたいと言っていた。だからリリアと随分前から決めていたんだ。二人目の子供を授かったら名前はハンジにするってな」

その瞬間、オニャンコポンの目からブワッと涙が溢れた。

「ほら見ろ、泣いた」
「だ……だって……ハンジさん…!!」

「あれー?オニャンコポンどうしたの?」


リリアとガビが皆の元に戻ってきた。
オニャンコポンは涙を拭くと何でもないです、と笑った。
するとリリアが先程までガビと選んでいた物を皆に見せる。
それは綺麗な色合いのハンカチだった。

「どうかな?これ、イェレナ喜ぶよね?」
「綺麗な色ですね、きっと喜びますよ」

ファルコが頷いた。

「まぁ、アレだな。受け取った時はうざったい顔をしつつ、裏で喜ぶパターンだな」

そう言ったリヴァイに皆が笑う。
全くその通りだろう。


/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp