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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第89章 #89 新たな命



その頃、部屋の外にいる他のメンバー達にもリリアの声が聞こえ始めついに始まったと慌て出した。

「リリアさん……頑張って…!」

アルミンとコニーは手を強く握り祈り、ジャンはソワソワとしながらドアを見つめている。
オニャンコポンは相変わらずウロウロと歩き回るのが止まらず、ガビとファルコも手を握り不安そうにしていた。


「痛いっ!!痛いーー!!!」


その叫び声に皆がビクリと体を上げる。


「いたーーー!!!ホントにいたーーい!!」
「当たり前でしょうが!」
「獣に腕持って行かれた時の方が遥かにマシだぁぁ!!!痛いよぉぉぉ!!下半身からとんでもない大きなものが出てくる予感!!!」
「予感じゃないです!!出てきてるんです!!」
「エルヴィン!!お前、もっとスポンと出て来やがれ!!!」


そんな3人の掛け合いにブッとアルミンが噴いた。

「……ごめん……」
「いや……悪い……俺も……噴きそうに…」

他の4人も顔を背け笑うのを堪えた。
不安なのは変わらないが今のリリアとリヴァイ、イェレナの会話で少しだけ心にゆとりが出来た。
とにかく無事に産まれるのを祈るしかない、深く深く息を吐き、再び見守った。


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